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最終回 電子書籍だから多様な価格戦略が試せる

オマケをてこに、値上げも値下げもできる

  • 吉本 佳生

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2011年7月6日(水)

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 これまでの3回の話を踏まえて、拙著『マクドナルドはなぜケータイで安売りを始めたのか?』を「リンク本のオマケつき電子書籍」(第1回を参照)として企画した時に、私がどういった価格戦略を考えていたのかを説明しよう。

 まず、「値下げ」を2つに分ける。第1は、予想より売れず価格設定が失敗だと分かった時などにする「価格を修正するための値下げ」。第2は、より積極的に、売り手が利益を増やすことを狙った「戦略的な値下げ」だ。

オマケを生かして実質的に値上げする

 私は、以下の基本原則を考えた。電子書籍の「価格を改定」する形での値下げは、「価格を修正するための値下げ」が必要な時にだけ行う。「戦略的な値下げ」をするときには、価格を改定することなく行うのが望ましい。

 「価格を改定」することなく、戦略的に値下げをするなんて可能なのだろうか? そのカラクリはこうだ。

 電子書籍とは異なる商品で、まず説明する。赤と黒の2本セットのボールペンを、価格300円で販売しているとする。「価格を改定」して値下げするのなら、価格を200円にすればいい。一方、価格を300円に据え置いたまま、青のボールペンをオマケとして加えて3本セットにしたらどうだろう。「価格を改定」することなく、実質的に値下げをしたことになる。1本当たりの価格は、150円から100円に下がっているからだ。

 このような「実質的な値下げ」は、「無料アップデート」ができる電子書籍の特性を生かせば、もっと先進的な価格戦略として行える。

 私が考えた「リンク本のオマケつき電子書籍」のいちばん肝心な点は、リンクする本を後でオマケとしてつけられることだ。実際に、最初からそこまで想定して、電子書籍のフォーマットなどを検討した。例えば、別の本Bの一部をオマケとしてつけた電子書籍Aを、価格1500円で発売したとする。しばらくしてから、異なる本Cの一部を追加して、電子書籍の内容量を増やした上で、価格を1500円のまま据え置けば、実質的な値下げになる。その後で、さらにリンク本を追加してオマケを増やせば、さらに実質的な値下げができる。

 積極的な価格戦略としての「だんだん値下げ」を、「価格を改定」せずに、このような「オマケ増量による実質的な値下げ」で行えることが、「リンク本のオマケつき電子書籍」の長所の一つだ。

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