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ジャパン・ブランド復興を目指せ

2011年7月8日(金)

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 震災から、まもなく4カ月になろうとしている。この間、いわゆる風評被害、特に海外との関わりの中で発生する訪日旅行者の数を、どうしたら早く元に戻せるか、ということを考えてきた。今回は、直接的な風評被害対策、そして、これを奇貨として、日本のグローバル・コミュニケーションを改善していく、というテーマについて、考えてみたい。

観光客減の影響は1兆円超、非正規雇用に打撃

 まずは、風評被害とその極小化について。

 4月の訪日外客数(日本政府観光局推計)は、対前年比62.5%減、5月は同50.4%減、と大幅な減少を示している。人口減少が進む日本にとって、海外からの旅行者増は、「滞在人口」を増やし、旅行・飲食・物販関連のさまざまな分野で消費が望めるため、大きな経済的価値を生む。逆に言えば、これが急激に減少すれば、日本の経済にとって大きなマイナス要因となるわけだ。

 我々、ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)の試算では、メインケースでは、2011年の訪日旅行者数減少による影響は、約5800億円。2011~13年の3年間の累計では、約1兆1600億円にも上ると推定される。これは、過去のSARSやインド洋津波の際の旅行者の戻り具合を参考にして、ほぼ12カ月間で元の傾向に戻る、という前提を置いて試算したものだ。ワーストケース(元の傾向に戻るまで3年間かかるという前提)の場合は、3年累計のマイナスの影響は約2兆5200億円に跳ね上がる。

 国内における直接の消費減少だけではなく、関連分野での雇用への影響も見逃せない。旅行や飲食といった領域は、ご承知のようにパート・アルバイト雇用の比率が高い。総務省の労働力調査によれば、この分野での雇用319万人のうち、210万人がいわゆる非正規社員だという。彼らのうち、かなりの部分が、旅行需要の減少が長引くと、雇用を失ったり、大幅な所得減少に見舞われたりする。この影響を考えると、経済への間接的なマイナス影響はさらに大きなものになると言ってもよいだろう。

「被災者に悪い」との懸念には「今こそ日本を訪ねてほしい」

 では、これに対して、いま何ができるのだろう。

 原発の問題は、終息にはいまだにほど遠い状況だ。日本国内でさえ、放射性物質の影響を懸念する方々が多数いらっしゃる。この段階では、手の施しようがないのではないか、という意見もある。

 しかし、福島第1原発から遠く離れた地域も含め、日本全体への観光客、ビジネス旅客が減ってしまうのは、明らかにおかしい。沖縄や九州も含め、関東以外にも、不要な懸念を抱かれているという状態だと思うからだ。

 手をこまぬいていれば、元の状態に戻るのに3年かかるかもしれないという中で、復活に要する期間を少しでも短くすることはできるはずだ。日本への旅行を控えている人たちが、何を気にしているのか。ボトルネックになっている懸念事項を取り除くには、どのようなことが有効なのか。あきらめずに、やれることをきちんとやる余地は、まだまだ大きいと思う。

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「ジャパン・ブランド復興を目指せ」の著者

御立 尚資

御立 尚資(みたち・たかし)

BCGシニア・パートナー

京都大学文学部卒。米ハーバード大学経営学修士。日本航空を経て現在に至る。事業戦略、グループ経営、M&Aなどの戦略策定・実行支援、経営人材育成、組織能力向上などのプロジェクトを手がける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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