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第39話 「彼は三沢の判断を待って、訴訟を仕掛けるつもりだ」

2011年7月20日(水)

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前回までのあらすじ

 団達也は、子会社のMTCラボの研究室に閉じこもったままの金子順平と会って話をした。達也は金子がそこで言った言葉に大きな衝撃を受けた。金子は、MTCラボが製造するK01と、UEPCが作っている特殊スイッチは、自分が発明したロボットでしか作れないと言ったからだ。

 しかも、特殊スイッチを製造するロボットの特許は、金子がジェピー在籍当時に発明したもので、特許の申請はジェピーが行っていた。
 この製造ロボットを使って、UEPCでは上海工場で特殊スイッチを作っていた。

 細谷真理と沢口萌は、休日のビーチで聞き覚えのある声を聞いた。それは、ジェピー時代の上司、間中隆三と斑目淳次の2人の会話だった。斑目の問いかけに、間中は「もちろんだ斑目君。このオレが、MTCラボにトドメを刺してやる」と答えた。

シンガポール

 「まさか…」

 達也は天を仰いだ。ロボットの製造方法までは気にも留めていなかった。というより、特許は申請しない戦略をとっていた。主要部分はブラックボックス化し、タイのソムチャイやベトナムのホーとの合弁会社に貸与する。外部の関係者には外観すら見せない。しかも、製造ロボットの仕組みは、金子にしか分からないから、あえて、特許で守ることも必要ない、と考えていた。

 「甘かった…」

 達也はため息をついた。まさか、特殊スイッチとK01が同じロボットによって製造されているとは夢にも思っていなかったのだ。金子は、達也の質問にこう答えた。

 「治具とプログラムを変えるだけなんです。製造方法の思想は同じです」

 このロボットには汎用性がある。だから、誰にも真似ができないのだと、金子は胸を張った。だが、その言葉に、達也は心臓を打ち抜かれたような、激しい衝撃を覚えた。金子は、自分の発明だと思っている。確かにその通りだ。だが、特殊スイッチ製造用ロボットの特許権を所有しているのはジェピーなのだ。もし、このことをジェピーの親会社であるUEPCが知ったら、達也が二度と立ち上がれないほどの損害金を請求されるに違いない。

 達也はふと、真理から聞いたセントーサでの間中と斑目の会話を思い出した。

 「あいつは疫病神ですよ。こんどこそ、叩きのめしてやりましょう。専務」
 「もちろんだ斑目君。このオレが、MTCラボにトドメを刺してやる」

「熱血!会計物語 ~社長、団達也が行くseason2」のバックナンバー

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「第39話 「彼は三沢の判断を待って、訴訟を仕掛けるつもりだ」」の著者

林 總

林 總(はやし・あつむ)

公認会計士

外資系会計事務所、監査法人勤務を経て開業。国内外でビジネスコンサル、管理会計システム導入コンサルのほか、大学で実践管理会計の講義を行っている。また管理会計の草の根活動として、団達也会を主宰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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