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提言:システム障害を撲滅するための10カ条

第1は「経営トップが先頭に立ってシステム導入の指揮を執る」こと。

  • 大和田 尚孝

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2011年7月22日(金)

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 情報システムの障害や、開発におけるトラブルは今に始まったことではない。どれほどIT(情報技術)が進歩しても、情報システムを巡る失敗がなくなることはない。なぜなら、情報システムの開発や運用のカギを握るのは、技術ではなくて、人だからである。

 日経コンピュータは、1981年の創刊以来、「動かないコンピュータ」というコラムを掲載し続けている。情報システムの開発の失敗やシステム障害の事例を発掘し、実名報道するものである。「動かないコンピュータ」とは、情報システムの開発・運用を巡るトラブルを意味する。開発中の情報システムの稼働時期が大きく遅れた。開発プロジェクトが途中で打ち切りになった。稼働させた情報システムが障害を起こす、あるいは誤った処理結果を出す。これらが、「当初の計画通りに動かないコンピューター」である。

深刻化する老朽化とブラックボックス化

 「動かないコンピュータ」は一時、減少したかのように見えた。ところが実際は減っていなかった。それどころか、大規模なシステム障害は増える傾向にあるように思える。

 この背景には、連載第2回で述べたように、日本の企業において、情報システムの老朽化と肥大化が深刻になりつつあることがある。1970年代から1980年代、高度成長とともに、多くの日本企業は世界最高水準の情報システムを構築した。製鉄会社の生産管理システム、銀行のオンラインシステム、自動車メーカーの部品表システムなどである。ビジネスの基幹を支えるこうした「基幹系システム」が今、試練の時を迎えている。

 企業を支える基幹系システムは、動いたその日から劣化が始まる。まず、その企業のビジネスが変われば、それに合わせてコンピューターの上で動いているプログラムを直さなければならない。一つの情報システムは複数のプログラムで構成されており、それぞれ関連して動いている。一つのプログラムを修整した結果、別のプログラムに悪影響を及ぼすことがある。

 しかもやっかいなのは、こうした日々の修整を、情報システムを停止することなく行う必要があることだ。

 情報システムの老朽化に対処すべく、修整作業を続けていると、今度は肥大化という問題が起きる。新しいプログラムを追加したり、古いものを修整したりしているうちに、その情報システムを構成しているプログラムの量が増えていく。なぜ量が増えるかというと、古いプログラムを全面的に取り替えるのではなく、そこにプログラムを追加したり、あるいは既存のプログラムに新たな記述を追加したりするからである。

 本来は、プログラムを交換した方がいいのだが、それにはリスクがある。正常に動作しているプログラムに修整を加えると、そのプログラムに何らかの異常が発生してしまう恐れが生じる。そのため、既に動いているプログラムは極力そのままにしておいて、必要な部分を追加していく。

 こうしてどんどん、情報システムはブラックボックス化していく。先に紹介した、銀行の勘定系システム、製鉄会社の生産管理システムといった日本を代表してきた情報システムは、プログラムの規模が1億行を超えていると言われる。

対策は、あらゆるプロジェクトやビジネスに共通する

 老朽化とブラックボックス化がもたらす弊害がここへ来て深刻になったのは、企業情報システムの規模と複雑さと範囲が、その企業が自分で管理できる限界を超えつつあるからだ。複雑な情報システムの全体像を見渡せる人材が減少しつつある。これが社会を騒がせるシステム障害の底流にある大問題である。

 とはいえ、情報システムの老朽化と肥大化、システム全体を見渡せる人材の不足は、程度の差こそあれ、ずっと以前から起こってきたこと。従って、対策も変わっていないはずだ。そう考え、本連載の最後に、「動かないコンピュータ撲滅のための10カ条」を提言する。これは、日経コンピュータが1990年10月8日号の「動かないコンピュータ特集」で掲載したものに、手を入れたものである。

 10カ条のうち、ここでは特にビジネスパーソンが知っておくべき3つについて取り上げる。3つはいずれも、情報システムの開発や運用に限らず、あらゆるプロジェクト、あるいは日々のビジネスに取り組む上で共通するもの だからだ。

 第1に「経営トップが先頭に立ってシステム導入の指揮を執り、全社の理解を得ながら社員をプロジェクトに巻き込む」。ここで「システム導入」を「プロジェクト」を置き換えれば、どんな案件にも言えることである。

 今回のみずほ銀行のシステム障害では、頭取が先頭に立って、システム障害対応という緊急プロジェクトの陣頭指揮を執る必要があった。にもかかわらず、システム障害が発生したことを頭取が知るまでに21時間を要した。

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