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時に「滅私奉公」はマイナスになる

正しく怖がる放射能【15】

2011年7月26日(火)

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 本稿の校正中に、ノルウェーでの全く新しいタイプの「キリスト教原理主義を標榜する同時多発テロ」が起きました。滞在しているイギリス・シェフィールドでの報道と、日本国内でのマスコミの反応の温度差などが大変気になり、こちらにも触れたいのですが、ここ2カ月ほどの話題をあと2回ほどでまとめてゆきたく、時事の問題は織り込みながらお話できればと思います。

 先週ちょっとした音楽と音響の国際会議があり、いろいろな人と話をしました。会議の本来のトピックは音ですが、ティータイムなどでは、勢い「FUKUSHIMAはどうなんだ」といった話題が増えがちでした。

 そんな中で、イタリアの人々と食卓をともにする機会がありました。

「ヒステリックな反応」になれない理由

 ドイツやイタリアでのエネルギー政策のシフトが波紋を投げかけるわけですが、ではそれらの国で原発の情報がどのように伝えられているかというと「日本より冷静で正確だ」という人から「ヒステリックで誤った議論」という意見まで、いろいろに分かれます。

 正直なところ「イタリアでの報道のありかた」や「どれくらいのイタリア人がどれくらい正確に事態を把握しているか」といったことは、私にも分かりません。それを言うならイタリアはおろか、日本だって同じでしょう。

 どれくらいの日本人が何をどれくらい正確に理解しているか。責任感をもって数字を挙げることは私にはできません。そもそも何が「正確」なのか、というところから問われますし、社会一般がそれをどう誤解しているか、などに至っては、どうやって調べればよいことか。国民投票などすれば、まだ分かりやすいかもしれませんが。

 一部の政治家などが欧州の反応、とくにイタリア国民とかドイツ人一般などを指して言う言葉は、政治的な意図を持っての発言と思ってみるのが妥当と思います。

 たまたま同席したイタリアの人々と、エネルギー政策やらなにやら、あれこれと話をした中で、強く感じたことが2つありました。

 1つは、欧州の歩んできた道のり、その文脈を、日本人がしばしば忘れてしまうという傾向。

 そして、もうひとつは「個人主義」ということでした。まず「文脈」のほうから考えて見たいと思います。

「西」と「東」の接触する緊張

 「ボスニア・ヘルツェゴビナ問題」あるいは「コソボ紛争」など、バルカン半島~旧ユーゴスラビアの血で血を洗う凄惨な事態は、冷戦構造が崩壊し、旧東側を束ねておく重石がなくなってしまった1990年代の悲劇でした。

 私たちは「クロアチア」だ「セルビア」だ、あるいは「モンテネグロ」だ、とカタカナの並ぶ「東欧」を、遠く離れたヨーロッパのこととして考えます。

 また欧州の人も「トーキョー」というと、ペキンのそばにあるどこか、くらいに思っている人も多い。

 当然ながら、その実はちょっと違っているわけです。

 イタリアから来られたS教授たちと話していて、なるほどそうだよなぁ、と思ったのは、長い冷戦期、イタリアが東側とずっと「対面」し続けてきた、という現実でした。

 1983年、18歳での最初のドイツ留学以来「東西ドイツ」「ベルリンの壁」「西側有産階級が自宅に備える核シェルター」といった存在は露骨に目に見えるものと意識していました。しかし、ドイツが隣り合わせていたポーランドやチェコの社会主義と、ユーゴスラビアなどバルカン半島の社会主義状況とは、かなり実情の違うものだった。このあたりは私自身体験が薄いので、あまり多くを言うことができません。

 冷戦時代、また冷戦終了後、イタリアが隣り合わせてきた「東側」は、アドリア海を挟んだ「(旧)ユーゴ」だった。この意識が希薄だったと、痛感させられたわけです。

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