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手柄は部下のもの、責任は自分が取る

[第3回]プライドを捨て、仕事をあげてしまうと道は開ける

  • 山本 真司

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2011年8月9日(火)

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 「凄い」企画を量産するには、部下に成長してもらわなければならない。しかし、自分の目の前のプロジェクトを教育訓練だと割り切って品質を犠牲にすることは許されない。今すぐに、部下に100%以上の馬鹿力を出してもらい、企画作りに大きな貢献をしてもらわなければならない。ここに、中間管理職たるマネージャーの大きなジレンマがある。

つまらないプライドなんか捨てろ

 部下をその気にさせない最大の壁は、マネージャーたるあなたのプライド、権勢欲、自分をよく見せようとする見栄にある。絶対権力者としての上司のタイトルは、部下の評価権限だけでなく、情報の独占という大きな武器を持つことを意味している。その権力を行使すれば部下を従わせることは可能だ。

 でも、後出しジャンケンで自分の能力を誇示し続けるとどうなるか。部下は、身の安全を考えて、寡黙になる。上司の出方ばかりうかがって、自由な発想で、自由に意見を述べたりしない。結果として、マネージャーが自分で作った仮説が全然進化しない。

 だから、マネージャーたるもの、自分のプライドを守ることに使える武器は、意識的に、すぐに手放したほうが良い。私は、自分のマネジメント手法を変えてから、自分が知っていることで企画を作る上で役に立ちそうな情報は、すべて部下に開示することにした。権力掌握の金言とは正反対の「知らしむべし、由(よ)らしむべからず」作戦を敢行した。

 同時に、自分でも仮説の分からない時、難しいプロジェクトだと思った時は、すべてカミングアウトすることにした。参考になりそうな過去の経験、組織として蓄積したノウハウなども、企画立案プロジェクトのスタート時点で、全部部下に“ダウンロード”し、自分でも何が、不安で、どこに悩んでいるかをすべてあけっぴろげに教えるようになった。

 これで、一部の部下は反応する。でも、まだまだ、部下が自由にワイワイガヤ、自分ごととして当事者意識を持って一緒に働くようにはなってくれない。

部下の手柄、マネージャーの責任

 次に、部下の心理的衛生要因を意識的に取り去ってあげるように努力した。ブレストの最中、何か、様子見の空気が流れて場が静まった時、「ここから一時間、何を発言しようが、一切、皆さんの評価の減点対象にしない。好きに、形式、論理も忘れて、本件について意見を言ってくれ」と。

 馬鹿な発言で、バッテンがつくと思って発言しない部下も多い。空気を読み過ぎて、他人やマネジャーの批判めいた意見を言いにくい時も多い。黙って、約束を守って聞く。

 それでも往々にして、「課題は分かる。でも、それを発言したら自分の仕事や責任が増える」ということを気にする部下も多い。成果主義人事の弊害だろうか。どうも、野武士的に振る舞うと自分が損をすると考えてしまうのが部下の特性だ。

 これも、同様に、「もし、皆さんの発言で自分の仕事の責任が重くなる、量が増える、ということが懸念なら、安心してくれ。どう仕事を再配分するかは、フェアに後で考えるから」と。

 それでも、ブレストは盛り上がらない。部下の心理の根底には、「失敗しちゃいけない」という意識が、こびりついていることも多い。特に90年代の就職氷河期以降入社の部下は、業績の上げ潮を知らない、成果主義人事も当たり前になり、給料は平均値で落ちながらメリハリが付くという、黙っていれば負け戦の雰囲気で苦しんでいるのかもしれない。これでは、彼らの心から、失敗への恐怖心を取り去ってあげなければいけない。

コメント3件コメント/レビュー

本格的に部下を持ったことの無い経験でコメントさせていただきますが、成果と成長の取り分は、上司と部下で、逆な気がします。少なくとも、私は逆に思って仕事をしてきました。上司は仕事(成長の機会)を(適切な配分かは別として)与えて、部下は、成果を上司に渡す代わりに成長する。部下が成果を取れる評価システムって、上司と部下の目標が、バラバラということでしょうか?そこがよく理解できませんでした。(2011/08/11)

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いただいたコメント

本格的に部下を持ったことの無い経験でコメントさせていただきますが、成果と成長の取り分は、上司と部下で、逆な気がします。少なくとも、私は逆に思って仕事をしてきました。上司は仕事(成長の機会)を(適切な配分かは別として)与えて、部下は、成果を上司に渡す代わりに成長する。部下が成果を取れる評価システムって、上司と部下の目標が、バラバラということでしょうか?そこがよく理解できませんでした。(2011/08/11)

山本さんは,常に,部下の成長と自らの成長を応援しているのだな,と感じました。私も見習いたいと思います。(2011/08/09)

前回の話から、どう収まるのかわかりませんでしたが、常識的に収まりましたね。悪い方の例の「課長」はたくさん見てきましたが、こんな理想的な課長は見たことがないですね。せめて、こうなろうと努力する姿勢が見えればまだ救いはあるのですがね。(2011/08/09)

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後藤 忠治 セントラルスポーツ会長