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福島30年後を考える再生アイデア

2011年8月3日(水)

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 3月11日からそろそろ5カ月近くなる。東京電力が4月17日に発表した「福島第一原子力発電所・事故の収束に向けた道筋」のステップ1も、7月19日には「ほぼ達成した」と発表した。国民の関心ごとは、原発、放射線、電力が中心だ。「あいつが悪い」「こいつが悪い」の批判ばかりが飛び交っている。果たして、原発が収束したら、放射線がなくなったら、電力が確保できたら、その後、福島はどうなるのか。「悪いヤツ」が処分されれば、それでいいのか。

 今、目の前の問題を解決することは大切だ。しかしそれは「緊急オペ」に過ぎない。それとともに取り組まなければならないことは、福島の未来を考えることだ。「元気な福島」を取り戻すことを真剣に考えることも必要なのだ。他人任せではなく、自分の意見として考えを持っておかなければならない。

 私が、福島の未来を考えるためのメンバーを募集したのは5月の初旬のことだった。7名のメンバーが集まった。自分の利益に誘導するような人は一切いれていない。スポンサーもなしだ。本気で福島の未来を考えることのできる厳選したメンバーだ。

 そして、3カ月の間、合計43時間に及ぶ会議は、7月末に一区切りを迎えた。この文章は最終日の3日後に書いている。一刻も早く世の中に伝えたい一心なのである。もちろん、会議で使ったのは『ファンクショナル・アプローチ』だ。

30年後の福島を考える

 未来の福島を考えるためには、まず、多くの先入観、固定観念から取り除かなければならない。なぜなら、ほんとうに必要なモノを見失ってしまうからだ。私自身、生まれも育ちも関西なので、福島に対する先入観や固定観念はもともと無い。

 しかし、東日本大震災による被害、原発の情報に触れると、どうしても、福島の印象がそちらに流されてしまう。

 今回の調査に当たって、調べた分野は次のとおりである。行政、介護、医療、経済、企業、地域、文化、歴史、交通、情報通信、人口、環境、観光、産業、産物、原子力の分野である。集めた資料は、約5000ページにも及んだ。また、福島に関してアンケート調査を行い、得られた338件の有効回答も参考にした。

 資料から福島に寄せられている要求や課題を整理していく、あまりにも分野が広いため、それだけでもかなりの労力が必要だ。それを全員で徹底的に一気に整理していくのである。それぞれがバラバラに整理するより、チームで行ったほうが遥かに効率的である。同時に、全員が福島に対する全体像を理解していくことが出来るメリットもある。

 そして、ファンクショナル・アプローチで、最初に考えることは、「福島は誰のためにあるのか」という点だ。これについても、整理していった。福島の役割を考えれば考えるほど、多くの人達に役立っていることが判ってきた。そして、30年後まで視野を広げたとき、福島が素晴らしい地域であることを確信したのである。

福島はとても優れた地域

 福島は、自然環境と立地に特徴がある。全国第3位の大きさを誇る福島県は、実はもともと、3つの県が合併して1つになっていた。その3つとは、若松県、旧福島県、そして盤前(いわさき)県である。若松県は喜多方市を中心とする会津地方、旧福島県は福島市や郡山市を含む中通り地方、盤前県は相馬市からいわき市を含む浜通り地方に当たる。

 その広さのお陰で、太平洋側気候、内陸性気候、日本海側気候のすべてが揃っている。また、気温、降水量なども変化に富み、北緯37~38度で四季も明確に別れている地域である。森林率も70%を越えている。つまり、多種多様な動植物の生育環境に適しており、そこから豊富な農産物、畜産物の可能性を秘めている地域なのである。

 しかも、2時間あれば仙台、新潟、東京への物流が可能であり、太平洋側にある2つの港は海運による大量輸出入に役立ち、県中央部の空港を使えば素早く海外とのアクセスが可能である。さらに、南北には東北新幹線が通り、拠点を結ぶ高速道路網も既に整備されているから、陸上交通も万全なのだ。

 実際、福島県には大小合わせて180ヶ所もの工業団地があり、パソコンなどの情報通信機械の製造品出荷額だけで1兆円だ。その他の電子部品、輸送機械などをいれた工業生産額は6兆円(2008年)になる。農業、商業をあわせた生産額5兆円と比べれば、その立地の良さが反映されていることをご理解頂けるだろう。

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「福島30年後を考える再生アイデア」の著者

横田 尚哉

横田 尚哉(よこた・ひさや)

ファンクショナル・アプローチ研究所

顧客サービスを最大化させる経営改善コンサルタント。米GEの価値工学に基づく改善手法を取り入れ10年間で総額1兆円の公共事業改善に乗り出し、コスト縮減総額2000億円を実現させる。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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