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各国の「美女」を調査した!

ADKが解き明かした美の地域差

  • 安西 洋之,中林 鉄太郎

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2011年8月4日(木)

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 アジア特集の前回記事では、インドネシアにおけるソーシャルメディアを取り上げ、「フェイスブック大国」をローカリゼーションマップの観点から眺めてみた。ローカライズ度合いから市場のストラクチャーや動きを「想像」した。高所得層では英語がフェイスブックで一般的に使われているが、所得が下がるにつれてインドネシア語になっていく。急伸する市場を担うのは中間層であるため、外国企業参入にあたっては、当然ながらインドネシア語での情報収集がより重要になっていく。

 さて、世の中の変化を、他にどういう指標で見ることができるだろうか。例えば、どういう人の価値観や行動を見ていくと分かりやすいのか。それは女性と理系の人間ではないかと思う。女性の動きは時代の空気を表現する象徴的な現象を生みやすい。一方、想像力が強く求められる理系も、文系と比較すると従来の枠組みを簡単に超えやすい傾向にある。国境を越えやすいのも、これら2つのカテゴリーに属する人が多い。

 今回は、このような視点から、地域文化の見方として激動のアジアに生きる女性にフォーカスしてみたい。

 「インドネシアで日系二輪メーカーのカブタイプのある商品が女性に良く売れたのですが、最初、その理由が分かりませんでした。特に宣伝に力を入れているわけではなかったのです。そこから調べていって分かったのは、そのバイクに乗ると背筋がピンと伸びセクシーに見えるということだったんですね」

 こう語るのは広告代理店のアサツー ディ・ケイ海外本部長の大森健一郎氏。「我々が通常の調査などでは気がつかないところで、商品が消費者にキラキラ輝いている場面があるわけで、そこを突き止めることが本当に効果的なマーケティング戦略を考える上で重要だと感じています」という。

 一般的に、消費者の心をマスメディアだけでキャッチすることが難しくなっている。新興国の場合は、相対的にテレビなどのマスメディアの影響がいまだに強いが、インドネシアのようにソーシャルメディアが急速に拡大している市場は、今後ますます増えると思われる。こうした国では、ソーシャルメディアのあり方や使い方に参照すべきモデルがないだけに、マーケッターとしては面白いチャレンジ課題と言えよう。

「美しい女性」は千差万別

 アサツー ディ・ケイの売上高は世界の広告業界で12位に位置する。国内ランキングでは電通、博報堂に次ぐ3位。アイルランドのダブリンに本社を置く世界最大のWPP社と提携関係にあり、海外市場には積極的に打って出ている。独自に15カ国38拠点を構え、特にシンガポールを軸としたアジア各国での活動が日系の中ではひときわ目立つ。アジアだけで約1500人のスタッフを抱え、現在進行中のマーケティングの「(企業から消費者への)トップダウンからボトムアップ」の趨勢に立ち向かうべく、様々な実験的取り組みを始めている。

 ソーシャルメディアも活用し、「消費者に本当に刺さるネタをもっと見つけていかないといけないんです」と大森氏は語るが、女性の価値観を調査した「アジア女性プロジェクト」は、この延長線上にある。対象国は中国(上海)、タイ(バンコク)、インドネシア(ジャカルタ)、インド(デリー)、マレーシア(クアラルンプール)、フィリピン(マニラ)、ベトナム(ホーチミン)の7カ国。こうした国々の女性を、2009年から2010年の2年がかりで調査した。現在、1年目に調査した国において、2回目の調査に乗り出している。女性視点を重んじるため、プロジェクトチームのメンバーは全て女性である。

 プロジェクトを推進する価値創造プランニング本部シニアプランニングディレクターの夏目則子氏は、調査の狙いをこう話す。

 「女性のインサイトを捉えるためには、普遍的な価値観にアプローチしないと見えてきませんよね。でも、それを言葉だけで掴もうとすると、なかなか上手くいきません。例えば、『美しい女性』になりたいのは各国共通でも、実際、どういう女性を美しいとするかは地域によって違いますね。ですから、視覚的に確認していかないといけません」

 言葉とビジュアル情報の両面から把握していく重要性を物語っている。

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