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震災を機に変貌する危機への「備え」のあり方

シナリオプランニングとセンサー作りが必須に

2011年8月5日(金)

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 東日本大震災「後」、日本というシステムはいったいどうなってしまったのだろう、と不安が募る状況が続いている。しかし、以前のコラム(関連記事:災害大国だから生まれた「カイゼン」と釜石の奇跡)でも触れたように、日本の防災技術はなかなかのもの。災害に見舞われるたびに、それをさらに高め、社会システムにきちんと組み込んできたこと自体は、世界に対して胸を張れる事実だと思う。

 また、防災の国際協力の点でも、日本の貢献は大きいらしい。

 当然ながら、自然災害は世界各地を襲う。1985年から20年間のデータによれば、世界中で毎年平均2億人もの人々が災害の被害者になっているという。しかし、毎年毎年、防災についてきちんと国会に報告がなされ、継続的に防災予算を計上している国は数少ないことを防災専門家の方に教えていただいた。たいていの場合、「喉元過ぎれば」ということで、大きな災害の後、数年だけは防災に投資するが、その後、尻すぼみになってしまうとのこと。

 日本も過去にはそういう時代があったが、災害対策基本法に基づき、毎年「防災白書」を発行。政府が国会に対し、「防災に関してとった措置の概況」と「防災に関する計画」を報告することで、継続的な防災施策が行えるようになったらしい。ちなみに、この「防災白書」を中心とした継続的な防災施策・投資のシステム自体を、途上国に政府開発援助(ODA)として提供しようという動きもあるとか。

 防災に関する国際会議が日本で開催される例も続いている。例えば、国連の世界防災会議は、1994年に横浜市で、そして2005年に神戸市で開かれた。神戸での会議には、実に168カ国、78の国際機関、そして161のNGO(非政府組織)が参加したという。

世界の防災の標準になった「兵庫プロトコル」

 さて、こういう流れの中で、世界の防災専門家の中では、防災について考えていく際に、「兵庫プロトコル」というフレームワークに基づくことが標準的になっているらしい。

 これは、(1)危機認識(2)危機削減(3)危機対応(4)(危機からの)再建という4つのステップからなる。

 最初の2つは、「危機に対する備え(preparedness)」について、最後の2つが「危機に際しての対応(responsiveness)」についてと、まとめて考えてもいいだろう。

 私自身は、このお話をうかがって、企業や社会の「変化適応力」の話と全く同じだな、と気づかされた。

 さまざまな変化が同時に起こり、複合的なリスクとチャンスをもたらす時代。その中で、企業や社会が変化に適応していくために、どう備えるのか。急激な変化が起こった際に、どう対応していくのか。

 これこそが、変化の時代を乗り切っていくうえでの中心的課題だと思うのだが、(急激な環境変化の1つである)災害を防ぎ、損失を極小化する防災の世界でも同様のことが検討され、とりまとめられてきているようだ。

 では、企業や社会が急激かつ大きな変化に適応していくためには、「備え(preparedness)」、「対応(responsiveness)」の両面で何をなすべきなのだろうか。

 今回のコラムでは、「備え」について、少し述べてみたい。

コメント1件コメント/レビュー

兆候を捉えるセンサー的な情報に対して日本人はトコトン鈍いという自覚を持たなくてはいけないでしょう。代表的なのが事なかれ主義です。■センサー的な情報が兆候かどうかは受け取った人のうち1/10人、1/20人程度しか賛同が無いものが兆候である可能性が高いです。もちろん外してる可能性もありますが、それはきっちり理詰めで検証する(事なかれ主義はここをサボる)ことで区別できる確率が上がります。(2011/08/08)

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「震災を機に変貌する危機への「備え」のあり方」の著者

御立 尚資

御立 尚資(みたち・たかし)

BCG シニア・アドバイザー

京都大学文学部卒。米ハーバード大学経営学修士。日本航空を経てボストン コンサルティング グループ(BCG)に入社。BCG日本代表、グローバル経営会議メンバー等を歴任。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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兆候を捉えるセンサー的な情報に対して日本人はトコトン鈍いという自覚を持たなくてはいけないでしょう。代表的なのが事なかれ主義です。■センサー的な情報が兆候かどうかは受け取った人のうち1/10人、1/20人程度しか賛同が無いものが兆候である可能性が高いです。もちろん外してる可能性もありますが、それはきっちり理詰めで検証する(事なかれ主義はここをサボる)ことで区別できる確率が上がります。(2011/08/08)

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ジェニー・ダロック 米ピーター・F・ドラッカー伊藤雅俊経営大学院学長