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文化は輸出できるのか?

比較文学者と白熱トーク、「異文化をそのまま受け入れるわけがない!」

  • 安西 洋之,中林 鉄太郎

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2011年8月10日(水)

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 『「マルちゃん」はなぜメキシコの国民食になったのか?』の出版記念対談第2弾。今回は、管啓次郎さんにご登場頂いた。比較文学者であり詩人である。今年、『斜線の旅』で読売文学賞(随筆・紀行賞)を受賞された。小説家・松浦寿輝氏は「管啓次郎は、ここ半世紀ほどの日本文学が所有しえた最高の文章家の一人であるというのがわたしの考えだ」と毎日新聞で評している。

 カリブ海などのフランス語圏文学の専門家であり、明治大学大学院理工学研究科新領域創造専攻ディジタルコンテンツ系教授でもある。現在の研究分野は「コンテンツ批評」と「デザイン人類学」。一言でいえば、とても多くの目を持った人だ。異文化問題への鋭い切り口は気持ちがいい。

 この5月に出版された『野生哲学 アメリカ・インディアンに学ぶ』(小池桂一氏との共著)は、土地が人間にとって持つ意味を語っている。「あとがき」の一文にはこう記されている。


 自分が暮らす土地との関係によって「自分」ないしは「自分たち」がどんな人間であるかが定義される。「どこどこの者です」という名乗りの根拠が生まれる。そこから責任と誇りが生じる。

 ビジネスの世界で生きている人ではないが、ビジネスマンも管さんの見方に習うべき点は多いと思い、今回、対談のお相手を引き受けて頂いた。

 「知らないネタが満載で、いやあ、面白かったです」との管さんの感想で対談スタート。

「商品」とは「起源をなくすこと」

 「このあいだ、米国から帰った友人にヒマラヤのピンクの塩を土産にもらったのですが、原産国として表示されているのは南アフリカでした。ヒマラヤの塩が南アにいって、アメリカに輸出され、日本に持ち帰られる。このように商品化とはモノの起源をなくすことなんですよ」

 「起源をなくす」ということは「起源を分からなくする」ということ。現代に生きる我々は、身の回りのモノの最終生産国を知るのがせいぜいで、その前に延々と続いたプロセスは、ほとんど未知の世界になっている。いわんや一番最初の原料がどこでどういう人によって作られたのか、まったく知る由もない。しかも、最終生産者の立場にあっても、自分の2つ手前の工程でさえ誰の手によるのか分からない。こういう世界に我々は生きてる。

 人々は「モノの起源をなくした世界」に満足しているだろうか。いや、むしろ不安を感じているのではないか。だからこそ、「生産者の顔が見える」商品にプレミアムが付く。ワインでは葡萄の生育条件が重視されるから、「テロワール」という言葉が使われ畑のある土地がブランド化する。しかし、そうした商品は突出した一部のモノであり、通常、我々は多くの「起源不明商品」に囲まれて生活している。

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