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最終話 「ダンは戦わずして勝つ方法を模索しているはずよ」

2011年8月10日(水)

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前回までのあらすじ

 MTCラボが製造するK01と、UEPCが作っている特殊スイッチは、金子順平が発明したロボットで作っていることが分かった。MTCラボがジェピーの特許権を侵害しているということだ。

 特許権侵害の賠償金額はおよそ60億円にのぼることが分かった。今のMTCラボにはとても手に負えない額だ知った達也は、細谷真理と沢口萌に状況を説明した。

 ジェピー時代の達也の上司、間中隆三は、シンガポールに潜伏し、達也を陥れるために工作していた。以前、自分が達也によってジェピーを追われたことを根に持っていた間中は、復讐の念からこのような工作に荷担していた

 間中はUEPCのマイケル・ウッズと弁護士のキース・ジャクソンの前で、達也が特許権を侵害していることを突き止めたと報告し、訴訟の手続きが始められた。

 日豊自動車社長の湯浅のもとに、UEPCから連絡があった。マイケル・ウッズとキース・ジャクソンがシンガポールに行って達也に会うらしいと分かった。

シンガポール 達也のアパート

 真夜中の2時だというのに、達也の携帯は鳴りやまなかった。眠たい目をこすりながら達也は通話ボタンを押した。

 「団さんですか。至急、お知らせしたいことがありまして」
 それは、日豊自動車社長に就任したばかりの湯浅だった。

 「どうされたんですか。……なんですって」
 達也は深夜にもかかわらず、湯浅が電話をかけてきたわけを理解した。

 「分かりました。でも、湯浅さんは日豊自動車の社長になったばかりですよね。それでよかったんですか」
 「いいんですよ。私はあなたとは長いお付き合いを望んでいますから」
 達也は電話を切ると、すぐに真理に連絡を取った。

バンコクからシンガポールへの機内

 「リンダ。マレーシアのタンも了解してくれた」
 「あとは、ジェームスね。バンコクの空港で連絡したんだけど、相変わらずつかまらなくて。メールは送っておいたわ」

 「ダンはUEPCと戦うつもりなのかね」
 ソムチャイが神妙な面持ちで聞いた。

 「以前の彼なら、そうしたでしょうね。あの太い腕を振り上げてね」
 リンダは学生時代の達也を思い浮かべて、笑みを浮かべた。

 「でも、今の彼はそんなことはしないと思うな」
 「負け戦はしない、ということ?」
 ソムチャイが聞いた。

 「そうじゃないわ。ダンは戦わずして勝つ方法を模索しているはずよ。それが、今朝の電話だと思うの」

 リンダは明け方にかかって来た達也からの電話を思い浮かべた。

 それはいつもの達也の口調とは明らかに違っていた。

 「今日、マイケルと会うんでしょ」
 と言いかけたリンダに、達也はこう告げた。

 「リンダ。何も言わないでほしい。ボクも何も聞かない。ただ、一つお願いがあるんだ。真理と萌と金子をチャンギー空港に向わせる。しばらくの間、3人をかくまってほしい。3人別々に」

 リンダは、「分かったわ」とだけ答えて電話を切った。

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「最終話 「ダンは戦わずして勝つ方法を模索しているはずよ」」の著者

林 總

林 總(はやし・あつむ)

公認会計士

外資系会計事務所、監査法人勤務を経て開業。国内外でビジネスコンサル、管理会計システム導入コンサルのほか、大学で実践管理会計の講義を行っている。また管理会計の草の根活動として、団達也会を主宰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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