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「元通り」は論外 元を超越する志を持て!

片平秀貴・丸の内ブランドフォーラム代表が説く道筋

2011年8月11日(木)

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 東日本大震災でサプライチェーンや物流網が寸断され、日本企業の多くは事業活動の停止を余儀なくされた。その反省から、新たに創造していくべき経営のモデルとは──。企業で経営再創造の最前線に立つ実務家の取り組みや識者の論考を通して模索していく。

 今回のテーマはブランド論。震災直後に生産活動の停止が広がったことから、日本企業の技術力に対する信頼が低下。さらに東京電力・福島第1原子力発電所の事故に伴う風評被害が加わり、日本や日本企業のブランドは大きく損なわれたと言われる。

 実際、国内企業の大半は有事態勢への切り換えに失敗し、自社ブランドの棄損を食い止めることができなかった。その原因は何だったのか。低下したブランドの価値を再び高めるために企業はどのような手を打つべきなのか。日本のブランド研究の第一人者である丸の内ブランドフォーラムの片平秀貴代表がその道筋を示す。

(取材構成は、秋山基=ライター)

 5月下旬、私は、米国の東海岸・西海岸、スウェーデン、インド、シンガポール、中国・上海のアッパーミドルに属する人たちに対してアンケートを行った。あらかじめ、これらの国や地域で暮らしている親しい識者にメールを送り、彼らの知り合いにもメールを転送してもらうことで、計33人から回答を得た。

 アンケートでは、「日本人」と「日本製品」について、それぞれ震災前と震災後のイメージを尋ねた。結果の詳細は日経トレンディネットの連載で明らかにするので、ここでは概要のみを述べておく。

 まず、日本人に対するイメージは極めて好意的だった。震災後に震災前にも増して好意的になった人も多く、日本人のポジティブなイメージは強化された感がある。「真面目で、規律正しく、頑張り屋」といった日本人のイメージは定着していると言っても過言ではないだろう。

日本人への評価とは裏腹に低下する日本製品のイメージ

 一方、日本製品に対するイメージは、震災前は圧倒的に良かった(実は私はもう少し悪いかと思っていた)。それが震災後にはやや悪化した。しかも、これまで日本製品に対して好意的だった人たちの中に、「イメージが悪くなった」と答えた人が目立った。

 これにはやはり東京電力・福島第1原子力発電所の事故と、その後の対応の不手際ぶりが影響していると思われる。原発をコントロールできず、放射性物質を放出させてしまったことによって、日本のモノづくりの優位性に対してクエスチョンマークがついたのだ。

 日本製品はかつて品質と信頼の両面で高い評価を得ていた。しかし欧米市場におけるソニー・ブランドの失墜に象徴されるように、震災前からそのイメージには少しずつ陰りが見え始めていた。今回の原発事故がさらなるイメージダウンにつながったことは間違いない。

 また、世界の人々が評価してくれている「日本人の精神性」についても、私は若干の懸念を抱いている。「真面目、規律正しさ、頑張り」は、戦前から戦後にかけての日本人が持ち続けていた美徳であり、その貯金の上に今の日本人への好意的評価は乗っかっているのだ。それらが、現代日本の企業社会で廃れてきてはいないのか。日本製というブランドは今後も世界で評価を得られるのか。震災から復興する段階に入り始めた今、私たちはよくよく考えなくてはならない。

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