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風評被害はこうすれば解消できる

「情報の経済学」で買い控え問題を読み解く

  • 安田 洋祐

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2011年8月22日(月)

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 3.11の東日本大震災、特に津波によって引き起こされた東京電力福島第一原子力発電所の事故以来、放射性物質による汚染に関するニュースが後を絶たない。各地域の詳細な放射線量が次第に明らかになるとともに、最近では農水産物汚染に関する事実が次々と報道されている。これに伴い、「風評で△△市の観光客が激減した」「○○産の××が風評被害を受けている」といったように、風評あるいは風評被害という表現を耳にする機会が急増した。

 こうした風評報道に関して、「風評」という言葉の持つ意味や使い方に疑問や違和感を持つ読者も多いのではないだろうか。そこで、「風評(被害)」の意味や風評が生まれる原因、その解決策を経済学的に考えることで、風評を巡る論点を整理してみたい。

そもそも風評って何だろう?

 まずは、風評の意味について確認しておこう。風評とは「うわさ」、特に「事実と異なるうわさ」や「事実に基づかない(根拠のない)うわさ」を指す。ここでは風評被害を「事実に基づかないうわさが原因となって生じる(経済的な)被害」と定義する。

 実際の報道、あるいは日常会話で、風評被害はこの定義に基づいて正しく使われているのだろうか?

 話を分かりやすくするために、食品に関する風評被害について次の3つの状況を考えてみる。「○○」(地名)は、何らかの汚染被害が既に発生している地域だとイメージしてほしい。

状況A:「安全基準を満たしている事が明らかな食品Xが○○産というだけで売れない」

状況B:「安全基準の数値を超える汚染量が検出された○○産の食品Xが売れない」

状況C:「正確な汚染状況について公表されていない○○産の食品Xが売れない」

 状況Aが風評被害である一方、状況Bがそうではないことは明らか。問題は、現実にもしばしば発生する状況Cのような場合。Cを風評被害と呼ぶべきかどうかは、上の定義における「事実に基づかない」という部分をどう解釈するかによって変わってくるからだ。

事実とは“100%”確かなもの?

 食品Xについて「汚染の事実が確実に(100%)明らかになっていない限り「事実」と認めるべきではない」という立場であればCは風評被害になるだろう。既に○○産の別の食品から汚染被害が見つかっている場合でも、食品Xが汚染されていることは確定していないのだから、「汚染の『事実』がない」と言える。その食品を避けることは、根拠のないうわさに踊らされているに過ぎない。

 これに対し、はっきりと汚染事実が分からない不確実な状況自体を「事実」として認めるのであれば、Cは必ずしも風評被害にはならない。例えば、食品Xの汚染状況を誰も正確には把握していないが、「○○産の類似食品の汚染状況などから50%の確率で汚染されていることが推測される」という状況を考えてみよう。

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