「企業と顧客を結ぶソーシャルメディア」

江崎グリコとAKB48が示した「マス」「ソーシャル」の新しい可能性

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2011年8月22日(月)

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 ちょっと前になりますが、6月に広告業界で最も注目された話題と言えば、やはりグリコ「アイスの実」のプロモーションとして実施されたAKB48・江口愛実の企画でしょう。

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 6月13日に突如として「江口愛実」が、AKB48の新メンバーとして週刊誌「プレイボーイ」やグリコのテレビCMに登場し、さまざまな噂や憶測が飛び交いました。
 その後、AKBメンバーのブログ投稿や、様々な情報の分析の元にCG(コンピューター・グラフィックス)であることが判明するのですが、AKB48選抜総選挙イベントの後ということもあり謎の新メンバー登場は、大きな話題になりました。

 その後、6月20日に江口愛実がAKB48の6人のメンバーの顔のパーツを組み合わせて作られたCGであることがグリコのサイトで公開され、1週間にわたる謎の新メンバー騒動は種明かしされました。

 この一連の企画は、テレビの情報番組でも大いに注目され、数々の情報番組でも取り上げられて非常に大きな話題になりました。記憶に残っている方も多いでしょう。

ここまでは、マスメディアの話題

 と、ここまでは、ソーシャルメディア時代以前でもできた、マスメディアの話題の作り方。
 この企画の興味深いのは、「これだけで終わらなかった」ことなのです。

 6月20日に種明かしがされると同時に、アイスの実のホームページには「AKB48推し面メーカー」なるツールが登場しました。

 利用者一人ひとりが、AKB48の顔のパーツを使って、江口愛実と同じようなCGのメンバーを作ることができる手段が提供されました。

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 このツールでは、自分が好きなメンバーを選んで自分だけの新メンバーを作るというCG合成機能があるだけでなく、自分が作った顔をツイッターやFacebookなどのソーシャルメディアで紹介でき、それぞれの顔に対して、投票できる機能が実装されています。

 つまり、利用者はこのツールを利用することで、今回のテレビCMの企画者と同じ行為を経験できるわけです。

 その後、この投票企画は利用者の間では、美人投票コンテストと言うよりは、変顔コンテストとしての盛り上がりを見せ、1位になっている木嶋里子というキャラクターは8万票以上の投票を獲得しました。

 今回のアイスの実の一連の企画で、特にソーシャルメディアの観点から秀でていると感じるのは、こうしたネット側の企画で利用者を企画に巻き込んでいる点です。

 企画の中心にあった江口愛実の登場のように、週刊誌やテレビCMを使って話題を喚起し、利用者の噂や憶測を巻き起こす手法というのは、別段珍しい手法ではありません。
 もちろん、総選挙の後のAKB48に謎の新メンバーという構成自体は、とても面白い企画でしたし、それ単体で巻き起こした話題のボリュームを考えれば素晴らしい広告企画だったと言えます。

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著者プロフィール

徳力 基彦(とくりき・もとひこ)
アジャイルメディア・ネットワーク 代表取締役社長

徳力基彦  NTTにて法人営業やIR活動に従事した後、IT系コンサルティングファームを経て、2002年にアリエル・ネットワークに入社。ソフトウェアの企画や、ブログを活用したマーケティング活動に従事。2006年からは、ブログネットワークのアジャイルメディア・ネットワーク設立時からブロガーの一人として運営に参画し、2007年7月に取締役に就任。ネットマーケティングやネットの最新動向に関する複数の執筆・講演活動も行っている。
 個人でも「tokuriki.com」や「ワークスタイル・メモ」等の複数のブログを運営するなど、幅広い活動を行っており、著書に「デジタル・ワークスタイル」、「アルファブロガー」等がある。



このコラムについて

企業と顧客を結ぶソーシャルメディア

 インターネットの普及や技術の進化により、企業と消費者の関係は大きく変化しようとしています。検索技術やモバイル、動画など、めざましい技術の進化に目をうばわれがちな一方で、着実に存在感を増しているのが利用者の会話やクチコミです。インターネットを通じたマーケティングで本当に重要なのは、利用者の会話に耳を傾け、会話に参加し、一緒に考えていくことではないでしょうか?
 このコラムでは、ソーシャルメディアを通じて企業と顧客がどのように会話をしていけばよいのか。ソーシャルメディアの持つ可能性や企業の活用方法について探っていきたいと思います。

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