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地域再生マーケティングの本命は「アート」である。

2011年8月22日(月)

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 彼女は土のにおいがする。星が読める。畑の小鳥は、彼女がそばにいても気にせず虫をついばむ。ふいに詩の一節が浮かぶ。「雨ニモ負ケズ、風ニモ負ケズ・・・」宮沢賢治がなりたかった「デクノボウ」がここに居る。

 本人にしてみれば当たり前に生きてきただけなのだろうけど。なんたって自らの人生を「煮えただねぇで煮ぃひりだ(煮詰まった)」と笑うのだから。そういえば、怒鳴る姿も泣きわめく顔も見たことがない。大切な想いは心の奥にしまって、ときどき取り出して見せてくれる。

 田んぼと畑、飼っていた馬や家族の世話。19で嫁いでから働き通しの58年間。仕事を「ゆるい」(楽だ)とか「ゆるくない」(辛い)で量ったことはない、と言う。人の役に立つなら、やるだけ。シンプルな原則だけど、貫くのは簡単じゃない。

 誰に褒められるでもなく、「自分が満足すればいい」と、淡々と畑仕事をする様子は、眩しい。

 拝啓ばあちゃんさま。私もいつか、あなたみたいになれますか。

 この、ジワーンとくる文章は、今年オープンした八戸ポータルミュージアム「はっち」が、震災前の2月に発信した「八戸レビュウ」の一部です。

八戸ポータルミュージアム「はっち」の新しさ

 「八戸レビュウ」は、はっちのオープニング企画のひとつ。「八戸って何だろう?」へのアンサーです。八戸に生きる、さまざまな年代の88人。その日常的生き様に共感した人、つまりファンたちが綴った言葉が前述の文章なのです。

画像をクリックするとサイトへジャンプします

 その88人を、梅佳代さん、浅田政志さん、津藤秀雄さんの3人の写真家が、文章に触発されて撮影。その多くが手書きで書かれた文章と共に、展示されました。

 一見、よくありそうな企画ですが、写真家はあくまで媒介、インタフェース。ファンの思いと生き様を体現化する市民が主役で、写真家は映像をインターフェースとして、彼らのエネルギーを引き出していく役目。

 その展示会には、作品は存在せず、八戸に生きている人たちのエネルギーが溢れています。そこに行けば、八戸の人に出会える。これこそが、「はっち」の狙ったアートでした。

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「地域再生マーケティングの本命は「アート」である。」の著者

関橋 英作

関橋 英作(せきはし・えいさく)

マーケッター

外資系広告代理店JWTでコピーライターから副社長までを歴任。ハーゲンダッツ、キットカット、デビアス・ダイヤモンド、NOVA英会話学校など、数多くのブランドを担当、成功に導く。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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佐々木 眞一 日本科学技術連盟理事長、トヨタ自動車顧問・技監