Winter Festa2017-2018

勝手にカネが入ってきちゃう!

拡大編:要するに「工場長」ですな

 前回、私が独立して、どのように市場(島)を発見したかを紹介した。

 ただ、創業者はだいたい、ここで満足してしまう。「やった!宝の島を見つけた」と。

 まあ、はっきり言えば甘いんですね。確かに、島には輝く鉱石や豊かな動植物があったかもしれない。だが、その豊富な資源をきちんと収穫する(カネに変える)仕組みを早急に作らなければならない。でなければ、誰かを連れてきて、一緒に収穫作業をすることになる。だが、1人が収穫できる量は決まっている。それが飛躍的に高まることはない。

 私が不動産において、一般消費者や買い手に対して「本当の物件情報」を提供しながらコンサルティングする事業を開始したのは、まだ、この「発見段階」にすぎなかった。そのまま1人で続けても、誰かを巻き込んでみんなで収穫しても、私の取り分(儲け)はそんなに変わらないのだ。

 とりわけコンサルティング業界は、投下する労働量がそのまま売上高を左右する。つまり、「売上高=時間単価×労働時間」としてクライアントに請求するからだ。基本的に、売上高を膨らませても、それだけ人件費がかかるので(しかも高い)、利益率はほとんど変化しないのだ。

 1人のコンサルタントが売り上げる限界は、「時間単価4万円×2500時間労働=1億円」。もし時間単価をこれ以上高く設定すると、顧客が逃げてしまう。まあ、限界値だと考えていいだろう。実際、年収1000万円のコンサルタントは、年間売上高として2.5倍程度の2500万円を上げられればいい方である。多くのコンサルタントは、自分の力だけではそんなに稼げない(要するにクライアントから指名されない)。コンサル会社としては、教育に力を注がないと、業務の質を担保できないが、だからといって教育ばかりに時間を割いていれば、クライアントに請求する「時間」が減ってしまう。

 つまり、収益のレバレッジが効かないビジネスなのだ。人数を増やして、売上高を膨らませるという経営になりがちだが、私はそうしたやり方に興味が持てなかった。

 だからといって、当時はまだ、ニッチ戦略について体系化して説明出来る状態ではなかった。要するに職人芸の域を出ていなかったのだ。だから、コンサル事業は「1人で拡大できる限界」という壁にぶち当たっていた。経営者として、事業を根底から再構築する必要があったのだ。

 そんな時、日経ビジネス(2002年7月22号)で『不動産大革命』という特集記事が組まれた。

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著者プロフィール

沖有人

沖 有人

不動産コンサルタント

1988年、慶應義塾大学経済学部卒業後、コンサルティング会社、不動産マーケティング会社を経て、1998年、アトラクターズ・ラボ(現スタイルアクト)を設立、代表取締役に就任。/

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いただいたコメントコメント1件

成功するとはこういうことか。コンサルト会社が役に立たないことが良く分かった。(2011/08/23)

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