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被災地で出合ったもうひとつの“トモダチ作戦”

第1回 米軍、海外NGO、日本人が被災地で示したこと

  • ジェラルド・カーティス,翻訳 村井 章子

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2011年8月24日(水)

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はじめに

 5月の第1週に、私は宮城県と岩手県の被災地を訪れた。テレビ朝日「報道ステーション」の番組の準備をするためである(この番組は5月20日に放映された。私のリポートのVTRはここからでご覧いただける)。

 このとき私はたくさんの興味深い話を聞くことができ、その多くに心を打たれ、また現地で目にしたものに深く感動した。エッセイを書こうと決心したのは、このためである。

 その後2カ月間に私は4回ほど東北を再訪し、新たな展開をいくつか書き加えて原稿を手直ししたが、日記という基本的な性格は変えないことにした。本稿は、私が目にしたもの、そして出会った多くのすばらしい人たちから聞いたことに対する気持ちを綴った日記である。

(日本語の文章の後に、英語の原文を掲載しています)

被災地を訪れるジェラルド・カーティス氏(写真、著者提供)

 東北地方の太平洋岸沿いには、岩手県に大船渡、陸前高田、宮城県に南三陸、気仙沼、亘理といった市や町がある。今年の3月11日までは、これらの名前はほとんどの日本人にとってなじみの薄いものだったーーちょうどアメリカ人の大半にとって、メイン州(アメリカ最東北部)海岸沿いの町の名前がそうであるように。たいていの人がこれらの町について知っていることと言えば、漁業がさかんであること、冬が厳しいこと、無口で働き者の人々が住んでいることぐらいだった。

 だが3月のその日、マグニチュード9.0の地震と津波が東北地方を襲ったときから、すべては変わった。いま挙げた町を私は5月初めに訪れたのであるが、これらの町の名前も、そして東北地方沿岸にある他のたくさんの町の名前も、大災害の映像と結びつけられるようになったのである。

大地震の対応に熱心に取り組んできた日本

 被害は沿岸数百キロにわたって続き、住宅も、港、漁船、商店、町工場も、そして水田も野菜やイチゴの温室も姿を消した。あたりの景観は激変し、ただ果てしなくがれきが続く。ところどころで船や車が、津波後も残ったコンクリート構造物に乗り上げているのが目についた。津波の威力はすさまじく、死者・行方不明者は2万5000人以上、全半壊または破損した家屋は12万5000件に達する。さらに、東北地方太平洋沿岸の広い範囲に散乱したがれきは2700万トンと見込まれている。宮城県だけでも、がれきの重量は同県のゴミ23年分に相当するという。

 地震そのものによる死者の数はきわめて少なかった。日本は厳格な建築基準法、早期警報システム、地震避難訓練を始め、大地震の際に人命と財産を守るための対策にきわめて熱心に取り組んできたからである。

 たとえば日本の新幹線網には、97カ所に地震計が設置されている。今回の東北地方太平洋沖地震が軌道に到達する15秒前には初期微動が検知され、東北新幹線を含む走行中の27本の列車に、システムが自動的に非常ブレーキをかけた。東北新幹線は東京から仙台経由青森を結ぶ路線で、営業キロ714キロ、運行会社はJR東日本である。地上設備は、駅、橋梁、トンネルを含め各所で甚大な被害を受けたが、しかし死者は一人も出さなかった。

 東北新幹線は4月29日に東京~新青森間全線の運転が再開され、5月4日に私が仙台を訪れた際には、仙台駅の地震による損壊箇所は修理が完了していた。駅にも、市の中心部にも、仙台が空前の大地震に見舞われたことを示す兆候は見当たらなかった。

 東京では高層ビル群が大揺れに揺れ、しかもそれが長いこと続いたため多くの人が船酔いにかかったような症状を呈したものの、倒壊したビルは一つもなかった。天井などが落下して数人の死傷者は出たが、全体として被害は最小限にとどめられたと言ってよい。東京以北では多くの地域で電気、ガス、水道が止まったが、津波が到達しなかった地域では比較的早く復旧しており、死傷者数も少なかった。

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