• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

危機対応力の高い人や組織はこう作る

カギは「修羅場」の設定と「信頼醸成」

2011年8月26日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 企業が環境変化に適応する能力を作り上げようとした場合、防災対策と同様に、「事前に十分に備える」ことと「想定外の事態への対応力を高める」ことの2つが必要だ。前回のコラムで「備え」について述べたので、今回は「対応力」について述べたい。

 防災訓練の場合も、企業の環境激変の想定とそれに対する準備の場合も、いくら事前に検討し、備えていても、常に想定外の事態は起こり得る。昨今、「想定外」という言葉自体が、何だか言い訳作りのための言葉のようになってしまっている向きもあるけれど、世の中には「想定外」がつきもの。災害から金融危機まで、すべてのことを先読みすることが不可能である限り、十分な備えをしたうえで、さらに想定外への対応力をどう上げるか、ということが重要になる。

 ずいぶん前のことになってしまうが、サラリーマン時代、2つの大きな想定外の事態に遭遇した。最初は、入社3年目くらいのこと。航空会社で、パイロットの皆さんのマネジメントを行う部門にいた時、羽田沖で事故が起こった。巷間、「逆噴射事件」と呼ばれた事故だ。私はちょうど、羽田で役員会の資料を準備していたため、直後から嵐のような状況に巻き込まれることになった。

 2回目は、メキシコ駐在中に起こったメキシコ大地震。この時、私は少人数しかいない現地事務所の管理部門でアシスタントマネジャーをしていた。そのため、情報が不足し錯綜する中、状況の把握から復旧対応に至るまで何らかの判断を下し、物事を進めていかなければならない、という状態に放り込まれた。

 この2つの経験で学んだのは、想定外の修羅場になった時、ものすごく機能する人とそうでない人、うまく動けるチームとそうでないチーム、この差が如実に表れるということだ。また、普段から優秀な評価を得ている人が修羅場で活躍するとは限らないということも発見だった。

平時と戦時のリーダーはやはり異なる

 その後も、企業の人材育成をお手伝いする中で、このことを考えてきた。私に特有の経験ではなく、同様のことがあちこちで観察されているようだ。このことに一体、どういう示唆があるのだろう。

 現段階では、想定外の事態への対応力が高い人やチーム作りには、2つのポイントがあると考えている。

 まず、修羅場、あるいは戦時に強いリーダーを発掘し、育成する、ということの価値。よく言われる「平時のリーダーと戦時のリーダーは違う」という見方には、一定の真理が含まれているように思える。

 また、観察事実からいうと、修羅場に強い、あるいは戦時に活躍するリーダーは、生得的な部分に加えて、修羅場を何度かくぐり抜けてきたケースが多いようだ。逆に言うと、企業が想定外の状況を切り抜けるうえで、修羅場に強いリーダーを選抜し、可能な範囲で鍛えておく価値がある、ということになる。

「御立尚資の帰ってきた「経営レンズ箱」」のバックナンバー

一覧

「危機対応力の高い人や組織はこう作る」の著者

御立 尚資

御立 尚資(みたち・たかし)

BCG シニア・アドバイザー

京都大学文学部卒。米ハーバード大学経営学修士。日本航空を経てボストン コンサルティング グループ(BCG)に入社。BCG日本代表、グローバル経営会議メンバー等を歴任。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

店長や売り場主任などの管理職は、パートを含む社員の声を吸い上げて戦略を立てることが重要だ。

川野 幸夫 ヤオコー会長