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プロのコツから伝わる力

人生がきっと深まるクラシック音楽への誘い

2011年8月24日(水)

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 実は出先で突然の停電騒ぎとなりまして、出稿が遅れてしまいました。曲げてお許し下さい。しかし何というか、電気のない暮らしというのも、それはそれで受け入れてみると、いい点もあると思います。暑さがヒドイのはかないませんが、日が暮れれば暗くなり、ろうそくの火で明かりをとって、ゆっくり物事を考える…。普段ならネットにアクセスして過ぎている1~2時間が、沈思黙考の時間になったりする。

 春先に経験した輪番停電など、原発事故以降の消費電力の問題とは全く別の切り口から、電気と私たち、ということをちょっと考えたりしています。

 今回は、ツイッターでも少し予告させていただきましたが、そんな意味も含めて私の本業、大半がアナログでできているクラシック音楽の世界に、ちょっと変わった入り口からお誘いしたいと思います。

 夏休みも大詰めに差し掛かってきました。もしかすると、お子さんの宿題、夏休みの自由課題などで、ネタに困っている方もおられるかもしれません。そこで、そんなお役に立つかもしれない、という考えも含めて、まずビデオをご紹介しましょう。先日、幻冬舎から『人生が深まるクラシック音楽入門』という本を出しました。

アナログの豊かさ再発見

 本のおまけとして、新宿の幻冬舎本社会議室でパパッと撮り下ろしたビデオなので、中身はアドリブで、やや冗長な段はどうかお許し下さい。

 中身を文字でもご紹介しますと、私たちの身の回りにある「電気楽器」や電気電子の「オーディオ」製品、あるいはインターネットの音声動画ツールなど、大変便利なものも多いけれど(というか、それがなければそもそも「日経ビジネスオンライン」も成立しませんし、そこに音声動画のリンクをはっている、今の僕の論旨もないわけですが)、そうではない、古くからの音楽の知恵のいったんをご紹介しようということで、ここでは「共鳴」の話をいくつかご紹介してみました。いわばアナログの豊かさの再発見ですね。

 ギターとかバイオリンとか、特定の楽器を取り出すと、それ特有という印象がありますので、一般的な性質をお見せする…、というかお聞かせするために、オルゴールを色々な形で共鳴させるプレゼンテーションを考えてみました。

 最初に電子鍵盤で弾いてお聞かせしたのはムソルグスキーの「展覧会の絵」の冒頭ですが、電子楽器の音というのは鍵盤一つひとつに音が当てはめられていて(アサインされていて)それらが共鳴しあって響きを作るようには設計されていません。これに対して、ピアノでもバイオリンでも、生の楽器は常に楽器全体がどう響くか、もっと言えば部屋全体、奏者や聞き手の体を含めて、どんなふうに音楽が実現するかを、常に考えて作られてきました。

ワールドワイドのポップスターは戦後の産物

 私たちクラシック音楽の作り手、弾き手の仕事は、かつて何百年、いや何千年もの人類史全体にわたって、こうした「人馬一体」「一身具足」のかたちで音楽を作ること、にありました。ある種のオーディオ装置や電気電子楽器が発明されるまでは。

 主として20世紀に入ってから登場した電気・電子楽器は、音楽や音楽周辺のビジネスを根底から覆すものになりました。まさにイノベーションで、新たに膨大な市場を生み出し、音楽はグローバルな展開を始めます。

 分かりやすい話、今、誰もが当たり前に思っている「ワールドワイドのポップスター」というものは第二次世界大戦後の産物です。ロカビリーもプレスリーもロックンロールもビートルズもストーンズも戦争がなければ、あるいは戦時技術の進展がなければ存在しえませんでした。全世界的なポップスというものは、19世紀以前の人類には想像もできなかった。これは実は私たちが忘れている、でも割と大事なことではないかと思うんですね。

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