• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

1分50円、ちりも積もれば…

[2]会議総コストを目の当たりにした社長は絶句した

2011年8月29日(月)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

「そういえば、来週お客様に提出するあの企画書、どうなってる」
「すいません。課長に3回書き直しさせられて、ちょうど先ほど、訂正したものを部長に出したところです」

 出張先でランチを食べていると、30代とおぼしきビジネスパーソンと、まだ新人かと思われる若者、隣の席に座る2人の会話が聞こえてきた。

何のための検討会議なんですか

「まさか、課長から訂正された企画書をそのまま出したんじゃないだろうな」
「え…。そのままじゃダメだったんですか」
「おい、そのまま出したのかよぉ」
「はい」

「あぁー。課長は、企画書は内容をてんこ盛りにせず、『もっと簡潔に!』とか、言ってただろ」
「はい、相当削られました。何を書いても『もっと削ぎ落とせ』って」
「で、今から、部長に言われるんだよ。『先方の担当者が上司に説明しやすいことが重要なんだ。説明は全部、企画書に入れろ』って」
「そうなんですか」

「だからさ、急ぎの企画書の場合、部長には削られる前のものを見せるんだよ」
「えっ、課長にチェックされる前のものですか」
「部長は説明が丁寧で、話の筋さえ通っていれば案外簡単に通してくれる」
「でも部長との会議の時には、課長も同席するんですよ。違う企画書見せたって分かっちゃうじゃないですか」
「分かっても、部長が『いいんじゃないか』って言えば、課長も『そうですね』って言うんだよ。あの課長が部長に刃向かうことはないから」

「でも、会議の後で課長に叱られるのは僕ですよ」
「叱られるなら、まだいいけどね。まぁ、俺の経験上、それもないから」
「そんなのヘンですよ。何のために何度も書き直したのか分からないじゃないですか」

「課長用の企画書、部長用の企画書、それからお客様に見せる企画書、3つ書けるようにならないとウチの課で営業はできない」
「えーっ、お客様にはまた別の企画書を見せるんですか! 何のための検討会議なんですか。そんなことできません」
「…まぁな。俺も若い時はそう思ってたよ。おい、手が止まってるぞ。早く食べないと昼休み終わっちまう」

 日本企業における古典的な笑い話の1つ、と言っていい。

10人が1時間会議をしたら3万円

 これをそのまま実行しているビジネスパーソンも実は少なくないはずである。一番手間がかかるのが、社内の内部調整。ちょっと込み入った案件になると、お客様に提案書を出せるまでに2週間くらいかかったり、社内でもまれているうちに骨抜きにされたりする。その間にフットワークの軽い企業に先を越されてしまうこともしばしばだ。やはり社内調整をはじめとする会議が多くのムダを生み出し、企業競争力を劣化させているのだ。

 「脱会議」の提唱者として、今回の記事ではこうした分かりやすいムダだけでなく、見落としがちな「会議コスト」について考えていきたい。「脱会議」とは、「会議の『数』、会議の『時間』、会議の『参加者』を2分の1に削減し、『会議総コスト』を90%削減させる」ことである。

 では、この会議総コストとは何か。

 「会議はお金がかからない」という発想の人がいる。これは大間違いだ。みんなを集めて話した方が速い、というのも勘違い。逆に時間がかかって遅くなっていないだろうか。

 会議のコストは単純ではない。ムダな会議のために会議室で浪費する時間・人件費だけが問題ではない。それ以外にも、会議があるがゆえに発生するコストは不合理なほど存在する。ちなみに社員の時間とはイコール人件費である。会議は、社員にとっては自分の「時間」を使うものであり、経営に関わる者にとっては「人件費」を使うことそのものである。両者にとってコストを理解してもらうために、今回は「時間・人件費」という言葉を併記して使おうと思う。

  1. 資料作りの時間・人件費
  2. 会議のための打合せ(根回し)の時間・人件費
  3. メール処理(事前調整のため)の時間・人件費
  4. 出席人数分の会議の時間・人件費
  5. 議事録作成の時間・人件費、印刷代
  6. 会議室料(賃料、メンテナンス、施設管理、照明/空調費など含む)
  7. 残業時間・人件費(就業時間を超えれば人件費は通常の1.25倍)
  8. 電気代
  9. 会議用情報システムの導入・維持・メンテナンス費用など

 これだけのコストがかかっていることを認識しない人が多いので、問題を問題としてとらえられない。会議がなくならない大きな理由の1つである。

コメント28

「脱会議」のバックナンバー

一覧

「1分50円、ちりも積もれば…」の著者

横山 信弘

横山 信弘(よこやま・のぶひろ)

経営コンサルタント

CSK、日立製作所を経て、現在アタックスの主席コンサルタント。営業目標予算の2倍の材料を仕込む、組織マネジメント「予材管理」が注目され、コンサルティングのみならず、セミナー講師としても人気を博す。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

短期保有者のいいようにさせたら、中長期で保有したいと考えている株主はどうなるのか。

貝沼 由久 ミネベアミツミ社長