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「裕ちゃん映画」が海外で受けない真因を探ろう

産業復活へ、日本映画は起爆剤となるか

  • 安西 洋之,中林 鉄太郎

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2011年8月25日(木)

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 これまでアジアの話題を特集して書いた。「日本の若者が作ったバングラデシュ、『家族のような工場』」「『フェイスブック世界2位はインドネシア』の理由を知っていますか?」「各国の『美女』を調査した!」の3回だ。

 次はコンテンツ市場を連続で取り上げる。その理由のひとつは、コンテンツほど「毀誉褒貶」の激しい話題はないと思うからだ。ある人は「今や日本のコンテンツは世界で大受けだ」と言い、ある人は「日本のコンテンツなんてマイナーなオタクの話さ」と吐き捨てるように語る。「日本の自動車や家電は、機能と品質で評価されている」と一律に言われるのとは明らかに違う。

 何にでも温度差があるものだが、特にコンテンツは話している想定市場に食い違いが大きい。また、どんな数字をもって成功とするかの、判断と解釈に幅がありすぎる。そこに、どれほどのローカリゼーションの問題を含んでいるのだろう。

 コンテンツが何を指しているかといえば、映画、テレビ番組、アニメ、マンガ、ゲームが中心になる。実は輸出コンテンツ市場の中で、日本映画の占める規模は非常に小さい。黒澤明や溝口健二の作品が「古典」として評価されてきた歴史があり、宮崎駿のアニメ映画が話題にのぼるにも関わらず、テレビアニメやゲームと比べて「輸出産業」システムは混沌としている。だからこそ、問題のありかを理解するヒントがあると考えた。

 今回は日本映画について日活の経営企画チームリーダーの林朋宏氏にお話を伺う。林氏は数年前まで、ロサンゼルスに駐在して、北米映画界へのライセンスビジネスに携わっていた。ここで「北米映画界」と書くのは、アメリカの映画業界は、大きく分けてハリウッド(メジャースタジオ)と、それ以外の独立系(インディペンデント)に大別され、日本映画を扱うのは独立系の場合も多くあるためだ。

リメーク販売にパンフレットまで用意した日活

 来年、日活は創立100周年を迎えるが、興味深い資料がある。大ヒットした『丹下左膳』や拳銃を構えた若き宍戸錠が表紙を飾り、「我々は3300のフィルムを制作してきた」と英語で記してあった。ページをめくると、この約50年間に時代を作ってきた作品が紹介されていく。

©日活

 これまでに歩んで来た道を回顧する資料かと思ったら、そうではなかった。海外向けリメーク販売用パンフレットだ。もちろん本編を字幕付きで用意するのだが、歴史を紹介しながら、リメークをプロデューサーにオファーする。日活の最盛期のシンボルと言えば石原裕次郎、と私などは思ってしまうのだが、ここには「裕ちゃん映画」は1作もない。発想そのものに日本映画の「覚悟」が見える気がする。海外リサーチを重ねた業界人には当たり前なのかもしれないが、素人の目には新鮮に映る。

 リメークとは再映画化権を販売することだ。役所広司の『Shall we ダンス?』がリチャード・ギアの『Shall We Dance?』になったのは、リメークビジネスの一例だ。こうした事例をとらえ、「ハリウッドもアイデア不足で、日本の映画やアニメにネタを探しているのだ」と揶揄されることがある。しかし、これは実態をどの程度に捉えているのだろう。

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檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師