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初めての故障で考えたこと

第4回:【オーストリア編】1000キロ達成!遥か遠いゴールと、目の前の試練

  • 大角 理佳

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2011年9月2日(金)

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 7月25日。パリをスタートしてちょうど1カ月のこの日、ガリバーインターナショナル会長の羽鳥兼市氏は、走り始めて10キロメートル(km)の地点でドイツを抜け、オーストリアに入国した。国境あたりで互いにドイツビールを掛け合って祝福したが、この日はもう1つ大きな喜びが待っていた。サポートスタッフが持つゴールテープには、「祝1000km達成」の文字。全行程の15分の1走破という、大きな節目を迎えた日でもあったのだ。

1000km、1カ月を振り返って

 この挑戦のために開設されたサイト上で1000km達成を報告するため、このゴール地点でビデオカメラを前にメンバー全員のスピーチリレーが始まった。

 羽鳥氏はこう切り出した。「スタートしたのはわずか1カ月前ですが、ずっと前のような気がします。経験する内容があまりに濃くて、自分の限界に毎日挑戦している日々なのでそう思うのでしょう。毎日を大切に生きることが、とても価値あることだと感じています。それにしても、1000kmってすごい距離だね。車で走っていたら何も気付かなかっただろうけど、民間の方々に応援してもらったり、親切にしてもらったりしています。これから相当の苦労が待っているんだろうけど、それも味わいながら、いろんな国の人と親しくして、チャレンジを続けていきたいと思います。現場のスタッフには完璧なサポートをしてもらっています。日本で支援してくれているたくさんの人たちにも、感謝します!」。

ガリバーの社員たちが送ってくれた1000キロ達成のゴールテープを前に

 続いて、ガリバー執行役員でともに走っている須釜武伸氏は「1000kmを達成して、やっと体もできてきました。ここから、本当のスタートが切れるかなと思っています」と話した。

 そして、「継続の重要性について少し分かってきた気がします。1000kmは、1度がんばるだけでは届かない。継続しないと無理ですもんね」とつないだのが、3人目のランナーで、羽鳥氏の三男である彰人氏だ。

 世界中の人々にもこのチャレンジの様子が伝わるようにと、サポートスタッフたちはドイツ語、フランス語、英語も織り交ぜて報告。スタッフ全員の表情からは、それぞれの思いの深さや、このチームに参加していることの喜びが伝わってきた。

 新たな一歩のために、まずはリフレッシュしようと、翌日は完全休養日とした。

 そのタイミングで、かねてからの疑問をぶつけてみた。毎日長い時間走り続けている時に、羽鳥氏が考えていることとは何だろうか。

 「今日のゴールまであと何キロ。そういうことしか考えないで、ただ自分の足音のリズムだけを聞いて進んでいます。苦しい瞬間に『日本に帰ったらあれ食べよう』とか、『温泉にゆっくりつかろう』なんて思い始めると、かえって精神的に疲れてしまう。だから、疲れているときはあえて何も考えず、自分は無心を貫いています」

羽鳥氏、初めての故障で「基本」について考えた

 そんな羽鳥氏は、7月下旬、山岳地帯の多いオーストリアで坂と格闘していた。「スキー場の上級者用のゲレンデみたい」と思えるほど、長く急なアップダウン。上りはもちろん大変だが、気をつけたいのは、むしろ急な下りの方だ。勢いをつけて下りてしまうと、筋肉のダメージが大きく、故障してしまう恐れがある。下りを大得意とする羽鳥氏は軽快に走っていたものの、実はふくらはぎがパンパンに張ってきていた。須釜氏、彰人氏の足も同様だった。

 7月30日、これまで大きな故障のなかった羽鳥氏が、途中で初めて右大腿部の痛みを訴えた。ランチ休憩を利用してトレーナーがアイシングやテーピングを施してはみたものの、午後になると急激に速度が落ちてしまった。しかし、それでも羽鳥氏が歩みを止める気配はない。周囲は心配し、30km地点で中断して治療することを提案した。

 だが、「自分を甘やかしてはいかん。今日は40kmやると決めたんだ」ときっぱり。黙々と歩を進める羽鳥氏の背中を見て、誰もそれ以上は言えず、結局この日も3人で40km先まで行き着いた。

 羽鳥氏の考えは、こうだ。「自分の身体の限界は自分が一番知っている。常識的に、ここまでこうなったらやめたほうがいい、とか、治療をしたほうがいいとか、医学的にはあると思うが、それを超えた部分の気力も大切な要素。自分が休むか、進むかというのは、走っている自分にしかわからないのだから、そこは自分で決めるしかない」。

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