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国民が自ら「食」の安全管理ができる情報提供の徹底を進めよ

中央省庁を増やすだけでは国民の命と安全は守れない

  • 高鳥毛 敏雄

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2011年9月8日(木)

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 3月11日に発生した東日本大震災──。地震、津波という自然災害に原発事故という社会災害が重なり合う未曽有の事態は、これまで社会や企業が前提としてきた安全の常識を次々と覆した。3月11日を境にどのような常識が新たに形成されていくのか。それに応じて社会や企業活動の安全マネジメントをどう変えていかなければならないのか。

 このコラムでは、自然災害と事故などの社会災害の両方に精通した防災や危機管理のプロを育成する場として日本で初めて誕生した関西大学社会安全学部の教授陣が、社会や企業の安全マネジメントについての新たな考え方や具体策を講義していく。

今回のテーマは、「食の安全」。東京電力・福島第1原子力発電所の事故に伴う放射性物質の拡散によって、牛肉や米など食材の汚染が次々と明らかになり、食の安全に対する懸念が急速に高まっている。

 この未曾有の事態にどう対応すればいいのか。公衆衛生の現場に詳しい高鳥毛敏雄教授は情報の扱いにおける政府の姿勢転換を訴える。

(構成は、峯村創一=フリーライター)

 公衆衛生の概念は、もともと疾病や感染症などの危険から人々を守る環境を整備するために生まれた。日本はこの100年余りの間に、総力を挙げて衛生的な環境づくりを進めてきた。その結果、上下水道が完備され、食品や飲料水の安全性も保たれるようになり、衛生面では世界でも有数の国を造り上げた。

 そんな衛生の優等生が、今回、放射能汚染という非常に厄介で「非衛生」な問題に苦しめられることになろうとは、まるで醒めない悪夢を見ているようである。

放射能汚染を想定していなかったトレーサビリティー制度

 我々の食卓には日々、穀物、牛肉、豚肉、鶏肉、魚介類、野菜、牛乳、卵などなど、さまざまな食物が上っている。今、消費者がそのすべての産地を知りたいと思うのは当然だろう。

 生産者から流通を経て消費者に届くまでの経路を記録し、追跡可能にすることを「トレーサビリティー」と言う。現在の日本で、公的な制度としてトレーサビリティーが整備されているのは、実は牛肉と米だけである。

 牛肉のトレーサビリティーは、2001年に日本でも発生したBSE(牛海綿状脳症)への対策として生まれた。2004年から国産牛肉を個体識別番号で管理し、取引データを記録している。

 消費者が、牛肉の経路をたどるのは簡単だ。家畜改良センターのウェブサイトにアクセスして、購入したパックシールに印字されている番号を入力することで、生年月日、雌雄の別、母牛の個体識別番号、種別、飼養場所の履歴などの情報を入手できる。

 一方、米のトレーサビリティーは、残留農薬で汚染された「事故米」が食用として不正に転売されていたことが発覚した2008年の「米偽装問題」をきっかけに整備された。

 具体的には、2010年10月1日から業者間取引の記録の作成と保存が義務づけられており、さらに今年7月1日からは産地情報の伝達も義務化される。産地をパッケージに直接記載するか、ウェブサイトや電話で消費者に伝えるといった方法が取られる。

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