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指示の徹底を阻む“透明人間”部下

上司は「伝わらない」と嘆く前に、部下の本音を探る努力を

2011年9月8日(木)

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 「余ったドーナツは、チャリティーに寄付すること!」

 その会社のトップは全社、全店に徹底した指示を出している“つもり”だった。

 ところが……。現場では何と余ったドーナツを、惜しげもなくポンポン捨てていた。“まだ十分おいしく食べられる”ドーナツを、ポイっと、いとも簡単に大きなゴミ箱に捨てていたのである。

 あまりの衝撃に男は思わず聞いた。

 「ちょ、ちょっと待って! そ、それって捨てちゃうのかい?」

 すると店員はこう答えた。

 「あぁ、もちろんだよ。店長からそう言われているからね。いつも余ったら捨てるんだ」

 実はこれ、ご存じの方もいらっしゃるとは思いますが、全米で放映され、新番組としては23年ぶりに初回の視聴者数が3960万人を突破したことで話題になったリアリティー・ショーの一コマ。

 捨てられるドーナツを見て驚いた“男”は、米セブン・イレブンのCEO(最高経営責任者)であるジョー・ディピント氏。もっとも、店員は、ゴミ箱に捨てられるドーナツを恨めしそうに見つめていたその“男”が、自分の会社のトップとは知る由もない。

 何しろ、その“男”はその日に来たばかりの新人君。無精ヒゲを伸ばし、帽子姿のダニー・ロシだ、と、店員は信じていたのだ。

“ダニー”に共感した日本企業のトップたち

 そう。この番組はタイトルの、『Undercover boss(社長潜入捜査)』が示すとおり、大企業のトップが、変装などによって自らの素性と素顔を隠し、見習いとして自社の現場に潜入し、その体験を経営に生かすというのがコンセプト。日本でもこの8月から放送されていて、ひそかに企業のトップたちの間で話題になっているのだという。

 新人“ダニー”も、潜り込んだ現場で、スタッフたちが一生懸命に働く様子やそれに伴う苦労に感動するとともに、「自分の指示が伝わっていなかった」ことにショックを受けた。

 「余ったドーナツはチャリティーに寄付すること」――。

 社会貢献の一貫として徹底したはずの理念や指示が、現場に伝わっていなかった。上からの指示は、トップが信じているほど、下には届かないのである。

 「そうなんだよ。伝わっていると思うのは、大きな間違いなんだよなぁ」
 「せいぜい伝わって課長あたりまでだったりして」
 「うちみたいな中小企業でもなかなか伝わらないんだから、大企業なんて、もっと大変なんだろうね」

 番組を見たという日本のトップの中にも、“ダニー”に共感した人は多かった。

 あれだけ徹底するようにって言ったのに……。
 あんなに大切なことなのに……。
 会議もした、通達も出した、コミュニケーションは取っている……。
 いったいなぜなんだ?

 そこで、今回は、伝わらない「理由」について考えてみようと思う。

コメント41

「河合薫の新・リーダー術 上司と部下の力学」のバックナンバー

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「指示の徹底を阻む“透明人間”部下」の著者

河合 薫

河合 薫(かわい・かおる)

健康社会学者(Ph.D.)

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数は600人に迫る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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中村 克己 元ルノー副社長、前カルソニックカンセイ会長