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成長の止まった日本:財政政策も金融政策も効かない

根本原因は人口の成熟と中産階級の崩壊

2011年9月16日(金)

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 1995年以降、世界の中で日本経済だけが成長から取り残されてきたことについて、前回のコラムでデータと成長方程式を使って確認した。こうした現実に対して日本政府は何ら手を打ってこなかったわけではない。手を打たなかったどころか、およそ考えられるあらゆる手立てを講じて景気を回復させよう、成長軌道に乗せようとしてきたのは事実である。

財政政策も金融政策もやれることはやってきた

 一般に景気対策には、公共事業や減税を中心とする財政政策と、金利の調整やマネーサプライをコトロールする金融政策という2つのアプローチがある。

 経済政策におけるこれら2つの方法論の有効性については、従来から活発な議論がなされてきた。財政政策派は「金融政策は物価の安定には有効だ。しかし、景気対策や経済成長に対しては大きな効果は見込めない。景気を刺激して経済の成長エンジンを回すには財政政策こそが有効である」と主張する。一方、金融政策派はこう反論する。「潜在成長率の高かった高度成長期には財政政策の有効性が確認できた。だが、近年では公共投資の乗数効果は小さく、財政政策の効果はきわめて小さい。むしろ財政の赤字拡大を加速させる副作用の方が大きい。こういう状況では金融政策こそ景気対策の本命である」。

 この議論は、双方ともに実証データを提示しつつ、ノーベル賞級の経済学者の言説を援用しながら90年代以降延々と続いてきた。そして、日本政府がどちらの経済政策を採用してきたのかと言うと、あれもこれもと両方やってきたのである。

 財政政策については、1995年以降、公共事業の積み増しや各種補助金の支給、減税特別措置などで230兆円にも及ぶ財政出動を実行してきた。金融政策についても、世界が驚いた世界初のゼロ金利政策を2000年に打ち出した。それでも足りないとなると、量的緩和策によって可能な限り市中にマネーを流し込んできた。日本政府は考え得る限りの景気対策をやってきたのである。

結局効果なし、追い込まれてしまった状態

 結果はどうだったかというと、前回の本コラムに書いた通りである。何事もなかったかのように、日本経済は成長から見離されたままの状態である。多少の変化が起きたのは、2000年に世界的なITバブルが崩壊した時と、2007年のリーマンショックの後に景気が下振れした時のみ。800年間にわたってゼロ成長だったヨーロッパの中世のように、日本の経済成長率はゼロ~1%水準にずっとステイしたままである。

 この15年間にわたる財政政策と金融政策が残した“成果”を挙げるとすれば、約1000兆円にも達した国債発行残高とこれ以上金利を下げようのない状態の長期金利相場(0~1%)だけである。これは、財政バランス的にも金利相場的にも、もうこれ以上の手立てを打ち出す余地がない“追い込まれた”状態だと言えるであろう。

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