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100ミリシーベルト以下なら健康への影響は大きくない

元原子力委員会委員、田中俊一氏インタビュー

2011年9月15日(木)

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第1回「アラン・ワイズマン氏」インタビューを読む)
第2回「吉原毅氏」インタビューを読む)

 日経ビジネス9月12日号特集「未来都市フクシマ」の関連インタビューを掲載する。第3回は財団法人高度情報科学技術研究機構の会長、田中俊一氏。

(聞き手は篠原匡=日経ビジネス記者)

―― 原発事故以降、田中さんは福島県内で除染活動を続けています。もともと「原子力ムラ」に身を置いていた田中さんが除染活動を始めたのはなぜでしょうか。

除染をしなければ何も始まらない

田中:贖罪意識で除染を始めたととらえるメディアの方もいますが、それは必ずしも当たっていなくて、とにかく除染をしなければ何もできない、何も始まらないと考えているからです。現状でも避難している方々は大勢います。故郷に戻ってこられないという状況が続いている限り、復興も原子力も議論にならないと思っています。

田中 俊一(たなか・しゅんいち)氏
1945年1月生まれ。1967年3月、東北大学工学部原子核工学科を卒業後、日本原子力研究所に入所。企画室長、東海研究所所長、副理事長などを歴任、2007年1月~2009年12月に原子力委員会の委員(委員長代理)を務めた。現在は財団法人高度情報科学技術研究機構の会長(写真:篠原 匡)

 福島県の浜通りだけでなく、福島市や郡山市、二本松市などの中通りも放射能で汚染されています。年間被ばく量の推計値が20ミリシーベルトを超える計画的避難区域はすぐに避難しなければなりませんが、中通りは「1ミリシーベルト以上20ミリシーベルト未満」という、いわゆる「現存被ばく状況」にある地域です。

 こういった地域は、避難のマイナスを考慮すると当面はそのまま生活を続けるのは仕方ないけれど、事故が収束すれば除染をして線量を下げるよう、国際放射線防護委員会(ICRP)は勧告しています。それを日本は受け入れているわけですから、年間1ミリシーベルトを目指して除染するべきです。

 これらのことが、私が除染している理由の1つです。

 もう1つは、避難している方々と接していると、「いつ帰れるのか」ということを非常に心配しています。「帰れるのか帰れないのか」という判断も含めてですね。こういった不安が避難している方のすごく大きなストレスになっています。帰れるという希望を実現するためには、除染する以外の方法はありません。

除染を当面の雇用の機会に

 付け加えれば、避難している方々は仕事がありません。仕事のない毎日ほどつらいことはありません。除染作業は若干の被ばくを伴いますが、除染を当面の雇用の機会にすべきではないか、と思っています。もちろん、「嫌だ」という方もいると思いますが、除染作業を望んでいる方も大勢いますので、こうした方々に働く機会を提供しながら除染に協力してもらうことが大事だと思います。

 広大でかつ様々な環境を除染する技術はまだ確立されていません。除染作業を進めながら、絶えず除染すべき対象に適した技術を開発し、改良しなければなりません。除染作業は数年間にわたって確実に続きますので、除染は福島県の産業の1つになると考えています。伊達市の仁志田昇司市長は山林を除染しつつ、林業を再生させようと考えていますが、こういった発想はとても重要だと思います。

――除染の場合、放射能を帯びた廃棄物の処理が問題になります。

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「100ミリシーベルト以下なら健康への影響は大きくない」の著者

篠原 匡

篠原 匡(しのはら・ただし)

ニューヨーク支局長

日経ビジネス記者、日経ビジネスクロスメディア編集長を経て2015年1月からニューヨーク支局長。建設・不動産、地域モノ、人物ルポなどが得意分野。趣味は家庭菜園と競艇、出張。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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