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原発にはカネを貸せない

脱原発社会を目指す金融機関、城南信用金庫の吉原毅理事長

2011年9月14日(水)

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第1回「アラン・ワイズマン氏」インタビューを読む)

 日経ビジネス9月12日号特集「未来都市フクシマ」の関連インタビュー。

 第2回は、城南信用金庫の吉原毅理事長。同氏は3・11を機に原発依存社会から脱することを目指して経営するようになった。何が彼を動かしたのかを聞いた。

(聞き手は金田信一郎=日経ビジネス副編集長)

―― 「脱原発社会」を目指すと明言されていらっしゃいます。

吉原:福島第1原子力発電所の事故があって、それから虚心坦懐に考えたら、そういう結論になったということです。

 信用金庫や信用組合は、地域の地場産業や個人の方々と一緒にコミュニティーを作っています。「金融機関だから利益を求めているのだろう」と思われがちですが、その前に、「社会のためにある」という考えがあります。

儲けよりも、地域を良くすることが使命

 1844年、英マンチェスターに世界で最初の信用組合が誕生しました。その理念が、「お金に振り回されず、人間を大切にする会社や社会を作ること」だったのです。カネを貸してカネを儲ければいいわけではありません。我々には、地域を住民とともによくしていくことが求められています。

 例えば、城南信金がある東京で原発事故があったら、と考えてみました。放射能汚染に襲われて住民が避難しなければならなくなったら、地域が甚大な被害を受けてしまう。店舗も撤退しなければならないでしょう。そう考えると、我々のような地域金融機関が「脱原発」の社会を目指すというのは、自然な流れだと思いました。

―― もともと、「脱原発」という考えを持っていたのでしょうか。

吉原:いえ。恥ずかしながら、3・11まで原発について深く考えたことがありませんでした。でも、今、「原発は中長期的に減らしていこう」という人が非常に増えています。その多くは、社会運動などと無関係の方々です。

―― 「脱原発」を打ち出したきっかけは。

吉原:原発事故の直後、福島県南相馬市のあぶくま信用金庫から問い合わせが来ました。そして、「うちの従業員を採用してもらえないでしょうか」と言うのです。

コメント12件コメント/レビュー

企業の国際競争力維持を口実に、原発継続を唱えるのは簡単だ。逆に、感情的に原発即廃止を唱えるのも簡単だ。しかし、責任や具体的対策・行動を伴った発言は恐ろしく少ない。吉原氏が経営者として熟考の末に明確な行動に移していることに感嘆する。(2011/09/18)

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「原発にはカネを貸せない」の著者

金田 信一郎

金田 信一郎(かねだ・しんいちろう)

日経ビジネス編集委員

日経ビジネス記者、ニューヨーク特派員、日経ビジネス副編集長、日本経済新聞編集委員を経て、2017年より現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

企業の国際競争力維持を口実に、原発継続を唱えるのは簡単だ。逆に、感情的に原発即廃止を唱えるのも簡単だ。しかし、責任や具体的対策・行動を伴った発言は恐ろしく少ない。吉原氏が経営者として熟考の末に明確な行動に移していることに感嘆する。(2011/09/18)

福島第一の過酷事故から半年が経つが、忘れてはいけないのは、他の原発の安全性が抜本的に改善したわけでは決してないと言うことだ。設計時の想定(若狭湾では津波の高さ2メートル程度)を超える地震・津波に襲われれば、同様の大事故が起きても不思議ではない。福島第一原発事故の被害の大きさと巨額の賠償を見れば、原発のリスクは民間企業には負える物ではない。「原発にはカネを貸せない」と言うのは、金融機関として極めて妥当にして現実的な判断だ。ウラン鉱石もいずれ枯渇するし、価格高騰のリスクもあるのを無視して、化石燃料や発展途上の太陽光・風力などを叩き貶めてきた官僚・財界・政治家・御用学者。彼らこそ、国の死活を決めるエネルギー問題の議論を歪め妨害してきたのだ。(2011/09/14)

反原発も良いけれど、既に作って存在するもの。今から反対しても処分しなければならない事には変わりない。それに大事故起こした原発は40年前の物で結局その後の改善も十分になされず、災害対策も不十分で、点検も不備に有事対策もお粗末。天災の部分まではかろうじて踏みとどまり、それ以降のは人災。原発自身をスケープゴートにして管理運営への批判を逸らすつもりか?なんとかに刃物ではないが、人間が愚かと見なすならば、もっと自動車他も資格を厳しくしましょうや。視界をワザと狭め、外界の音を聞けない大音量音楽に運転中の電話やTV他。運転をなめているでしょ。でも便利だから、滅多に事故しないからと、そういう運転する姿勢は原発事故と同じ。(2011/09/14)

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