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「オレって、使い捨て?」 突然クビを宣告された45歳の悲哀

“過剰適応”でマンモスの牙と化す企業の行く末

2011年9月15日(木)

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 「まさか自分が? って感じですよ。数年前からうちの会社でも、管理職を対象とした早期退職の募集が幾度となくありました。50歳以上が対象だったし、退職金も増えるんだったら悪い話じゃない、なんて思っていたんです。今、思えばしょせん、人ごとだったんですね」

 大手電機メーカーに勤める45歳の男性は、先月突然、人事部に呼び出され、早期退職募集の資料を渡された。

 「悪い話ではないと思うので、考えてみてください」

 まさに晴天のへきれき。自分には関係ないと思っていたことが、ある日突然、自分自身の問題となって降り掛かってきたのである。

 「管理職だと組合員ではないですから。多少、無理強いをしてもさほどややこしい問題には発展しないんですよ」

 男性はこう続けた。

 上場企業の希望退職・早期退職者の募集が、今年に入ってから増加傾向にあるという。世界同時不況の発生から2009年は急増したが、その後は世界経済の立ち直りに伴って輸出企業を中心に業績が持ち直し、2010年は概ね落ち着いて推移していた。ところが、今年3月以降に急速に増えているのである(東京商工リサーチ調べ)。

「会社存続」という名目の下で人をないがしろにする企業

 つい先日も、生き残りのための「事業転換」を進める富士フイルムホールディングスが、さらなる事業基盤の強化のため100~200人のリストラに着手することや、住生活グループが、グループ全体で新たに600人規模の早期退職希望者を募る予定であることが報じられた。

 前述の男性のケースは昨年度まで50歳以上が対象だったものが、今年に入って45歳以上にまで広げられ、自らもターゲットとなった。

 親会社から人が流れたことで、子会社の社員が押し出される羽目になることだってある。自分の会社の社員を子会社に転籍させて、子会社の社員がまるでところてんのように押し出されていくのだ。

 東日本大震災が起きた「3・11」から半年。「企業存続」「グローバル化」「雇用の流動化」「円高」などなど、もっともらしい大義名分の下、早期退職や希望退職が当たり前のように実行されている。

 かつては、リストラだけでなく、希望退職であっても、「非人道的な経営だ」と批判されたものだが、最近では「なぜ、リストラをしないんだ」と株主からも責められるようになった。

 経営者の目的は、あくまでも利益を追求すること。ただそれだけなのだ。

 あれだけ絆だの、みんなで頑張ろう、だの、“人”を思いやる気持ちが、日本中を駆け巡ったというのに。なぜか、企業を守る、という名目のために、人間がないがしろにされている現実がある。人間の使い捨て、は加速している。そうとしか思えないのだ。

 そこで今回は、「何のための会社なのか?」ということについて、改めて考えてみようと思う。

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「「オレって、使い捨て?」 突然クビを宣告された45歳の悲哀」の著者

河合 薫

河合 薫(かわい・かおる)

健康社会学者(Ph.D.)

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数は600人に迫る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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日本全体として若い世代にもっと所得の分配をしていくべきだと思う。

川野 幸夫 ヤオコー 会長