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病院と介護施設の充実が日本経済を浮揚させる

実需のある分野にカネとヒトを投入することが経済の基本

2011年9月30日(金)

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成熟した日本社会

 日本はこの15年間ほとんど成長できずにきた。米英独仏といった日本と並ぶ先進国の中で、日本ただ一国だけが成長できないでいるのだ。

 何も手をこまねいていたわけではない。15年間で230兆円にも上る財政政策を実施したし、ゼロ金利政策や量的緩和という金融政策もとった。できるだけのことはやった。しかし、これまでに実行した政策はすべて効果に乏しく、結局約1000兆円という国債残高と、金利操作をしても流動性コントロールの利かない“流動性の罠”状態だけが残った。

 一方で、日本の人口減少と高齢化は2010年から急速に加速化していく。2010年から2020年までの10年間で総人口が444万人減る一方、65才以上の高齢者は650万人増える。2030年までの20年間では総人口は1200万人減少し、高齢者は730万人増加する。

 財政政策はほとんど兵糧が尽き、金融政策も効力を失っている現状を考えると、万策尽きた状態に見える。この後は急速に増える高齢者に対する年金支出と医療・介護負担の重さに耐え切れず、国民経済はさらに活力を失い、沈んでいくばかりという暗い将来像が頭をよぎる。

 いや、そんなことはない、と私は考える。

今の状態ではカンフル剤は効かない

 これまであれこれとやってはきたものの効果がなかったのは、それらの政策がどれも日本社会が抱える問題の核心に迫るものではなかったからである。言うなれば、これまでの様々な政策は、高齢化(成熟化)して基礎体力が落ちている体にカンフル剤を打つ類いのものばかりであった。

 高齢化した体は基礎体力自体が落ちているためにカンフル剤は効かない。だが、別の処方によって復活させることは十分可能であると私は考える。以下、カンフル剤がなぜ効かなかったのか、そして日本経済を回復させるためにはどのような政策が適しているのかについて説明していこう。

 これまでの経済対策は、乗数効果が1.0程度しかないと言われる公共事業を積み増したり、雇用調整助成金を配ってリストラを抑制したりと、旧来の産業構造を守り従来のやり方を繰り返すばかりの対策だった。例えば、日本には現在99もの空港があるが、そのうちの少なからぬ地方空港は1日数便の就航しかない。しかもほとんどの便はガラガラで空港施設の維持費と相まって赤字が積み上がっていくばかりである。この例に見るように、需要の無いところで強引に公共事業を展開しても、経済成長は見込めない。そればかりか、財政赤字を拡大するだけでかえって経済の重荷になってしまう。

需要の無いところでの経済政策は無理スジ

 これまで、「経済政策と言えば公共事業、そして公共事業と言えばインフラ整備」という70年代までのやり方を延々やり続けて来たことが、90年代以降の日本社会においては根本的にスジ悪だったのである。

 補足しておくと、実体経済への刺激策がスジ悪の分野でしか行われなかったからこそ、金融政策も利かなくなってしまったのである。金融は実体経済の動きをスムーズにするのが本来の機能である。確かな潜在需要が存在するところに、公共事業を行って潜在需要が顕在化するきっかけを与えれば、経済活動は活発に回り始める。こうしたケースでは経済の回転が上昇するにつれて資金需要が発生するので、金融政策が経済の回転を増幅するのである。逆に、ニーズが見込めず収益の目途が立たない事業に対しては、いくら人為的に金融を緩和しても資金は動かないし、経済は活発化しない。

 経済は需要から、なのである。

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