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医療・介護分野は10年間で270万人の雇用を生み出す力がある

産業インフラから生活インフラへ産業構造をシフトせよ!

2011年10月7日(金)

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 前回までのコラムで、日本では経済成長が止まってしまった現実と、対応策として繰り出した財政政策・金融政策がことごとく無効であった背景について検証した。それを踏まえて、今の日本経済を活性化させるためには、人口の成熟化にマッチした産業構造のシフトが有効であると提起した。つまり高齢者の増加に合わせて、医療・介護サービスを充実させる産業政策を行えば、満たされていない需要を埋め、雇用を増やして国民経済を拡大させることができる。

 これまでの財政政策のようなダム・道路・空港のようなインフラ投資では波及効果は小さく、その効果は財政支出時の一時点だけでしぼんでしまう。だが、多くの国民が不満と不安を抱いている社会の高齢化への対策であれば、実需を喚起することができる。効果は継続的で、しか、医療関連の設備・機器や元気になった高齢者向けの趣味・レジャーも様々な関連分野への波及も期待できるのである。

医療・介護は雇用の面でもGDPの面でも最有力産業

 はじめに、国民経済に占める医療・介護分野の大きさについて示しておこう。各産業が国民経済に占めるウエイトは、GDPと雇用の2つの面から見ることができる。ここでは比較的確かなデータ(「労働力調査」)が入手できた雇用の面で説明する。

 日本の代表産業である自動車製造業の雇用者数は約100万人である。仕事が非効率で無駄に人が多いと言われている公務員が国と地方合わせて約220万人。食堂やレストランといった飲食業が約280万人。学校や塾などの教育産業が同じく約280万人である。これに対して、医療・介護分野の雇用者数は約400万人(医療230万人、介護130万人)に上る。日本経済の雇用の受け皿となってきた建設業が約500万人であることを考えると、この分野の雇用創出力の大きさが分かるであろう。

 ちなみにGDPに関しては、医療・介護分野の確かなデータが見つけられなかった。しかし、雇用者のスケールからしてかなり大きな貢献をしていることは容易に想像できよう。医療・介護分野は労働集約型の仕事なので1人当り生産性は大規模製造業と比べると明らかに小さいと言われているものの、飲食業や小売業よりは大きい。こうした点を勘案して雇用者の規模からすると、少なくともGDPの5.5%~6.0%程度はあると考えられるので25兆円~30兆円程度であろう。農業のGDPが5兆円、自動車製造業が11兆円、小売業が25兆円、建設業が29兆円であるのと比べて、GDPの面でも我が国最大の産業の一つであるのは間違いない。

医療サービスは高齢化時代の貴重な成長産業

 このように医療・介護産業はGDPにおいても雇用においても現時点で十分に大きな我が国の主力産業だと言える。さらに、今後どれくらいの経済効果が見込めるのだろう? 簡単に計算してみよう。

 2010年から2020年にかけて総人口は440万人減るものの、高齢者は650万人増え、高齢化率(高齢者が総人口に占める割合)は2010年の23%から2020年には30%に達する。比率の高さにおいてもスピードの速さにおいても、人類が未経験の急速な高齢化が進展する。

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