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自前で放射線測定する食品スーパー

伊藤信弘・いちい社長「福島県産の青果を無駄にしないで」

2011年9月26日(月)

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第1回「アラン・ワイズマン氏」インタビューを読む)
第2回「吉原毅氏」インタビューを読む)
第3回「田中俊一氏」インタビューを読む)

 日経ビジネス9月12日号特集「未来都市フクシマ」の関連インタビューを掲載する。第4回は福島市内に13店舗を展開する食品スーパー「いちい」の社長、伊藤信弘氏。

 福島市民はいま、放射能汚染という見えない不安と戦っている。いちいは、福島県産の青果の放射線測定を自社で実施し、店頭やホームページで公表している。伊藤社長に、放射線測定を自社で開始するに至った思いを聞いた。

(聞き手は山根小雪=日経ビジネス記者)

―― 放射線測定器を購入し、店頭に並べる前の青果を自主的に測定しています。なぜ、放射線測定を始めたのですか。

福島市の地元密着型食品スーパー「いちい」の伊藤信弘社長

伊藤:放射能汚染への不安を抱える福島市の消費者に、正しい情報を公表することは流通企業の使命です。同時に、ともに歩んできた生産者を風評被害から守りたい。

 いま福島市内では、原子力に関する講演会や勉強会が数多く開催されています。私自身も複数の講演会を聞きに行きました。最後の質疑応答で必ず飛び出す質問が「放射性物質の含有量を表示している食品はないのですか」というもの。質問をされた原子力の専門家たちは、一様に困った顔をするばかりでした。

 消費者が食品の放射線量の測定結果を知りたがっているのならば、食品スーパーを営む当社が出さないわけにはいかないと、思いを強くしました。

食べられるものを無駄に捨てている

 日本人は今回を機に、価値観を変えるようトライすべきです。食べても全く問題のない食材を、「放射能汚染があるかもしれない」という理由だけで捨てている。こんなムダなことは絶対にやめなければなりません。一生懸命に農作物を育てた生産者があまりにかわいそうです。

 風評被害は食料を無駄にするだけでなく、生産者を追い詰めているのです。3月末に当社のバイヤーが約350軒の契約農家を回りました。聞こえてきたのは、「どうしたら良いのか分からない」という声ばかり。なかには、大手食材宅配から契約を一方的に打ち切られた生産者もありました。

放射線測定結果は店頭とホームページで公表している(写真:宮原一郎、以下同)

 実際に放射線測定をしても、95%以上の青果の放射線は「検出限界以下」です。1kg当たり100ベクレルの野菜の食品暫定規制値を超えたものは、1000以上のサンプルを測定して、わずかに2つ。正確なデータを公表し続けることは、食品を扱う当社のような流通業がやるべきことだと考えています。

 購入するかどうかの判断は、消費者がする以外にありません。ですが、測定結果を見て、不安を解消し、安心して福島県産の青果を食べてもらうためには、放射線測定が重要な役割を果たします。

―― 検査機関へ依頼するのではなく、自社での測定に踏み切ったのはなぜなのですか。

コメント8

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「自前で放射線測定する食品スーパー」の著者

山根 小雪

山根 小雪(やまね・さゆき)

日経ビジネス記者

日経コミュニケーション、日経エコロジーを経て、2010年1月から日経ビジネス記者。エネルギーを中心に、自動車や素材など製造業を担当する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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