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被災地に可憐に芽生えた新たな産業のカタチ

震災に負けない人々(番外編) 阿部憲子・南三陸ホテル観洋女将

  • 内藤 耕,瀬戸 久美子

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2011年9月27日(火)

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 3月11日、東日本大震災に見舞われた南三陸町にある南三陸ホテル観洋。固い岩盤の上にあり、1階と2階は津波に襲われたが、5階にあるロビーのシャンデリアは一つとて落ちることがなかった。そして、そのときから宿泊客、地域住民、ボランティア、復旧作業員が寄り添い、復興に取り組む物語が始まった。

南三陸ホテル観洋の外観

 4月から5月にかけて、私は日経ビジネスの瀬戸久美子記者とともに現地を取材、5月31日、日経ビジネスオンラインに、地震直後からの阿部憲子女将の孤軍奮闘ぶりを報告した。

 ここにきても遅々として進まない復興への動きも重なり、現地の状況を確かめるべく、8月後半、私と瀬戸記者はそれぞれホテル観洋を再訪した。その後も、電話やメールで現地との情報交換を続けるなか、我々はある事実を発見した。

 まだ避難者がいるなか、社員の雇用を守るために、ホテル観洋は7月24日に一般の宿泊客の受け入れを開始していた。地震前から人気の高い旅館だったことから、すでに多くの宿泊客が訪れ、9月の客室稼働率は70%を超える水準にまで回復している。

 それだけではない。8月いっぱいで避難所としての役割は完了した。しかし、地域社会が崩壊しないよう、仮設住宅を巡る「観洋ぐるりんバス」の無料運行、地元の子供たちのための「寺子屋」・・・。これまでにない取り組みも始めた。

 ホテル観洋は、健全な地域社会の中でしか企業は発展することがないと考えている。だから、少しでも雇用を創出するために、地震直後の大変なときからレストランや売店の営業を再開した。さらに、旅館の施設を活用し、人口流出を防ぐために、地域住民のために、ぐるりんバスや寺子屋のサービスを無料で開始した。さらに地域社会が復興するために、旅館として何ができるのかを今も考え続けている。

 このように、ホテル観洋の取り組みは、企業だけでなく、宿泊客にも、従業員にも、そして地域社会にも価値をもたらし始めている。それだけではない。地域社会とともに企業を経営する新たな産業モデルの芽ともなり始めているように見える。もしかしたらこの取り組みは、人類が21世紀に作らなければならないひとつの企業の姿を、がれきの中で私たちは見ているのかもしれない。

 そのプロセスを阿部女将に聞いた。

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