「常盤文克の「新・日本型経営を探る」」

日本復活のカギは「グローバル」の再定義にあり

「フラット化しない世界」に生き残る企業の条件

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2011年9月30日(金)

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 東日本大震災から半年が過ぎました。この半年余りを振り返って思うのは、この未曾有の大災害から数多くのことを私たちが学んだだけでなく、逆に震災が私たちに問いかけたこともあるのではないか、ということです。

 その1つが、「グローバリゼーションとは何か」という問いです。今回の震災では、モノ作りのサプライチェーン(供給網)が分断されました。東北地方には有力な部品メーカーの工場が集積しており、部品の供給が滞ってしまったのです。

 サプライチェーンマネジメントと称して、コストと在庫の最小化、時間の短縮、さらには安定供給と効率の最大化を目指してきた仕組みにとって、大震災は大きな落とし穴だったと言えます。結果として起きたモノ作りの停滞は、日本のみならず世界にまで広がりました。

震災で見えてきた世界が「つながる」意味

 この事実から、世界はつながっているのだ、という現実を私たちは身をもって理解したわけです。世界は単に、海や陸を介して地理的につながっているだけではありません。

 金融経済やモノ作りのサプライチェーンなど、人間のあらゆる活動がネットワーク状につながり、連鎖しています。この「世界はつながっている」という感覚こそが、「グローバルである」ということだと思います。

 すなわちグローバリゼーションとは、人や企業がモノ・カネ・情報などのつながりの中でどう生きていくか、どう仕事をしていくか、このつながり自体の構造を状況に応じてどう作り直していくか──ということでもあるのです。

 そもそも、「グローバル」という言葉が頻繁に使われるようになったのは、ベルリンの壁が崩壊した1989年以降のことです。東西の冷戦が終結し、「資本主義・自由経済」と「社会主義・計画経済」の二項対立が終わり、世界が1つであるという発想が生まれました。それが、グローバルという概念です。

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著者プロフィール

常盤 文克(ときわ・ふみかつ)

元・花王会長
1957年東京理科大学卒業、花王入社。スタンフォード大学留学後、大阪大学にて理学博士。花王で研究所長などを経て、76年取締役。90〜97年まで社長、2000年まで会長。現在は企業の社外取締役、アドバイザリーボードメンバーなど幅広く活躍。著書に『モノづくりのこころ』(日経BP社)、『コトづくりのちから』(同)、『ヒトづくりのおもみ』(同)、『反経営学の経営』(共著、東洋経済新報社)、『いま・ここ経営論』(共著、同)など多数。

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