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震災から半年! 日常が戻っても消えない“不安”の正体

不安を生きる力に変える「幸せ探し」の効用

2011年9月29日(木)

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 「震災直後は、明らかに価値観が変わったことを実感できた。でも、変わったはずなのに、時間が過ぎてみると従来通りの日常が戻り、従来通りに仕事をしている。そのことが妙に、漠然とした不安をかき立てるんです」

 「自分の中の『変わった』という実感が日々遠のいていって。ひょっとしたら自分は大きな社会の変化の波についていってないのではないかという気がして。芥川龍之介流にいえば、『ぼんやりした不安』とでもいうんでしょうかね」

 先日、企業の中間管理職の方たち数人と、いろいろとお話をさせていただいた時に、1人の男性がこうこぼした。

 変わったはずなのに、変わっていない――。うん、何となくだが、彼の気持ちは分かる気がする。

 例えば、買い物に行く。すると、訪れた先には震災前と大して変わらない光景が広がっている。一時は閑散としていた都内の百貨店に人があふれ、高級食材やブランド品を買う人、催事場の北海道展に列を連ねる人……。若干照明が暗く、室内が蒸し暑いと感じるものの、そこにある景色も、そこにいる人々も、ましてや自分も、大して変わっていない。

 私自身の仕事との向き合い方だってそうだ。震災の直後には、今まで通りに上司と部下との関係とか、働き方とか、ストレスについて書いていいものかどうか、正直戸惑った。講演会で話をする時も、授業をする時も、同じ戸惑いを感じた。

 ところが気がつけば、以前と同じことをやっている自分がいる。もちろん震災の日の自らの体験やその後に感じたことなど、何らかのプラスアルファが加わってはいる。でも、基本的には大きく変わっていないのだ。

日常が戻ったのに妙にかき立てられる不安

 人間ってそんなに変われるものじゃない。こう言ってしまえばそれまでなのかもしれないけれど、ふと気がつくと「3・11」以前と同じように生きている自分がいる。

 変わったつもりが何も変わっていなかった? そんな気もする。

 変わったことに慣れた? そうなのかもしれない。

 でも、やっぱり変わったんだと思う。そう、確かに変わった。

 ちっとも論理的ではないのだけれど、「2+2=4」が、いつの間にか「2+2=3」になってしまった。そんな気分なのだ。

 日常が戻ったはずなのに、何かが違う。これが妙に不安をかき立てるのだ。

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「震災から半年! 日常が戻っても消えない“不安”の正体」の著者

河合 薫

河合 薫(かわい・かおる)

健康社会学者(Ph.D.)

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数は600人に迫る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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