-
課 長:
-
「先月の数字、90%の達成率だけど、結果だけ見てもしょうがない。どれだけ訪問してるんだ」
-
部下A:
-
「先月は78件です」
-
課 長:
-
「毎月100件は訪問しろと言ってるだろ」
-
部下A:
-
「すみません」
-
課 長:
-
「デモ機の貸し出しの提案はしたのか」
-
部下A:
-
「はい」
-
課 長:
-
「50件が目標だったな」
-
部下A:
-
「結果的に41件でしたが…。何とかやってます」
-
課 長:
-
「よし。今日締め切りの、戦略シートの提出は?」
-
部下A:
-
「あ、明日、出します」
-
課 長:
-
「明日には出せるんだな。新規リストの作成についてはどうよ」
-
部下A:
-
「リストですか。800社ぐらいは集めたんですが…」
-
課 長:
-
「1000社のリスティングが目標だったけど、まぁ、しょうがないか」
-
部下A:
-
「あの、毎月の読書量ですが、先月は4冊でした」
-
課 長:
-
「うーん、毎月5冊はビジネス書を読んでほしいが…。ま、いいだろう」
-
部下A:
-
「来月は何とか…」
-
課 長:
-
「じゃあ次、B君、きみの先月の数字はというと…」
何をしても8割ぐらいの行動習慣の人は
やっているようで、物足りない。やっていないように見えて、意外とやっている。こういう部下はどこにでもいるものだ。
私はこういう人を「八割部下(はちわりぶか)」と呼んでいる。
決められたことをキッチリやり切らないのだ。とはいえ、全くやっていないどころかソコソコやっているものだから、上司からあまり責められない。「次はちゃんと頼むぞ」とか「まぁ、忙しかったんだからしょうがないな」と言われ、許される。
しかし、定量表現された行動計画を「100%やり切る」か、「99%以下で終える」かは、実のところ意味合いが全然違う。行動が8割だと、期待される結果も8割は出ると勘違いしてしているのが「八割部下」である。そんなはずはない。ある目標を達成させる上でひとつのプロセスだけで成功・失敗が決まるわけではないからだ。
通常は、複雑なプロセスを経て正しい結果へと導かれるのだから、何をしても8割ぐらいの行動習慣の人は、いつまで経っても満足する成果を出すことができない。プロセスの分だけ、八掛けしていけばおのずと答えは出るだろう。
つまり「八割部下」も「二割部下」も五十歩百歩。どちらも、たいした結果を出せないのだ。
「100%絶対にやり切る」と決める
その道程における思考プロセスも異なる。「100%絶対にやり切る」と決めてノルマを設定したときにだけ、リスクヘッジの発想で行動計画(PDCAサイクルの「P」)が策定されるからだ。
「今日の13時に、大事なお客様のところで商談がある」と分かっていたら、普通のビジネスパーソンなら、13時までには必ず到着するような思考ロジックで考えるはずだ。到着時刻が13時28分であろうが、13時9分であろうが遅刻は遅刻。13時には絶対に到着しなければならないのだから、28分の遅刻も、9分の遅刻もたいして差がない。
移動時間が1時間かかるとすれば、11時45分ぐらいの電車に乗ろう、そのために11時30分に駅の立ち食い蕎麦屋で腹ごしらえしよう、だったら11時15分にはオフィスを出ないといけないな…、といった「ゴールから逆算」した行動を取るのが普通だ。
1カ月に100件お客様に訪問するというのであれば、想定外のことが発生することも考えて半月までに70件は回るようスケジューリングするとか、こういうことだ。
ここから先は「日経ビジネスオンライン」の会員の方(登録は無料)、「日経ビジネス購読者限定サービス」の会員の方のみ、ご利用いただけます。ご登録のうえ、「ログイン」状態にしてご利用ください。登録(無料)やログインの方法は次ページをご覧ください。
横山 信弘(よこやま・のぶひろ)
アタックス・セールス・アソシエイツ取締役副社長
1969年名古屋市生まれ。90年にCSK、97年に日立製作所を経て、現在はアタックスの主席コンサルタントとして活躍中。目標予算の2倍の材料を仕込む、組織マネジメント「予材管理」が注目され、コンサルティングのみならず、セミナー講師としても人気を博す。年間100回以上実施するセミナーは常に満員で、5000名超の経営者/マネージャーを動員する。世の中のほとんどの「会議」はメリットよりもデメリットのほうが大きいと断じ、2011年に「脱会議」を提唱。日経ビジネス オンラインにて同名のコラムを連載し大ヒットに。著書『絶対達成する部下の育て方』。読むだけで会議での言い訳がなくなるメルマガ「草創花伝」( http://attax-sales.jp/blog/magazine.html )は、口コミで広がり続けている。本連載をまとめた『脱会議』発売中。
お客様から「あなたの会社、会議ばっかりやってませんか?」と指摘されたら、「会議中毒」のレッテルを張られているのと同じです。すぐに「脱会議」を導入しましょう。脱会議とは、1.会議の「数」、2.会議の「時間」、3.会議の「参加者」をそれぞれ2分の1に削減し「会議総コスト」を90%削減させるやり方です。会議に依存する経営を続けていると意思決定スピードが遅くなり、日本企業は国際競争力を失いかねません。このコラムでは、なぜ「脱会議」が必要なのか、「脱会議」の導入方法、「会議難民」への対処方法、マネジメントサイクルにおける会議の位置づけと「正しい実践手法」について解説します。
⇒ 記事一覧