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「収入さえあればいい」や「出世したい」派は1%、今どきの就職事情

個人は何を目指し、企業は何を用意すればいいのか

  • 武田 斉紀

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[1/4ページ]

2011年10月3日(月)

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不況、震災下にあっても、大手企業志向が減っている

 新卒学生の就職状況は、昨年以上に厳しい。2012年3月卒の大学生では、7月時点の内定率は54.4%(昨年7月は6月は55.8%)と昨年より約1カ月遅れている(2011年8月8日、リクルート発表)。

 これには東日本大震災のために、大手企業を中心に採用活動時期を遅らせたこと、被災地での採用活動が進んでいないことの影響も大きい。特にここにきて数字が伸び悩んでいるのも気になる。内定をもらって他の企業を回らないとする活動終了率は、まだ40.9%にすぎない。

 例年なら10月あるいはそれ以前から、現大学3年生(2013年3月卒)に向けた企業からのアプローチが始まる。今年は申し合わせで新卒向け情報サイトのリクナビも12月開始となっている。現4年生の戦いは3年生向けの採用活動が始まっても終わりそうにない。

 ところがこうした不況や震災の影響で、学生の間ではますます大手企業志向が強くなっているのかと思いきや、そうでもないようなのだ。

 毎日コミュニケーションズの調査によれば、大手企業志向は前年比5.6%減って41.4%(「絶対に大手企業がよい」+「自分のやりたい仕事ができるのであれば大手企業がよい」)。一方、中堅・中小企業志向(「やりがいのある仕事であれば中堅・中小企業でもよい」+「中堅・中小企業がよい」)は、前年比5.8pt増えて、53.4%と過半数となっている。

 経団連の会員企業に対して行った調査によれば、選考時期を遅らせたり震災学生に配慮するとした企業は5割程度あるものの、87.5%の企業は「東日本大震災発生後も2012年春の採用計画を変更していない」と回答した(日経新聞2011年9月28日)。

 これは大手企業が採用を絞ったことで大手をあきらめる学生が増えたのでは、必ずしもないことを証明している。むしろ、中堅・中小企業に目を向ける学生が増えてきているのだ。リクルートによる調査でも、中小企業を希望する学生は増加傾向にあるという。

 そもそも大手企業に勤めることのメリットとは何だろう。私は4つの「S」と捉えている。「信用・仕事・資金・サラリー」だ。「信用」は「大手に勤めているんだ、すごいね」という親や友だち、恋人、周りの評価。お金を借りる時などにも表れる部分だ。

 「仕事」は「信用」にもつながるが、「(中小に比べれば)それほど苦労をして取りに行かなくても仕事がある」こと。大手企業にずっといると分からないものだが、中小企業に移った途端に肌身で感じる部分だ。

 3つ目の「資金」は「仕事」にもつながるが、資金があると「大きな仕事ができる可能性が高い」、「高度な教育、育成が行われる」といったところだ。4つ目の「サラリー」は給料だけではない。休日などの勤務条件、住宅などの福利厚生なども含むが、大手の中には福利厚生などは多くを廃止したところも目立ち、以前ほどのメリットにはなっていないようだ。

 大手企業のメリットばかりが気になって、子どもたちに大手を目指させているのはむしろ親の方かもしれない。しかしながら、親自身が大手企業のメリットだけでなく、デメリットにも気づいているはずなのだ。

 大手企業は組織が大きい分、一人の存在価値は埋没しがちだ。異動の可能性も大きい。異動がすべて悪いわけではない。新たなキャリアや経験は仕事の幅や能力を高めてくれるだろう。

 しかし大手企業の方が異動の頻度は高いだろうし、関連会社や子会社も多い分、出向や転籍となる可能性も高い。そのたびに自身のキャリアを見直す必要に迫られる。

 大手企業には転勤も多い。突然の転勤や海外赴任で家族や友人、恋人と離れ離れになる。結婚して子供がいれば、単身赴任か、家族ごとの転居の選択を迫られる。転居は家族の負担を強いることになる。共働きの場合はどちらかがキャリアを失うか、遠距離夫婦を選ばなければならない。

コメント4件コメント/レビュー

やりがいがある仕事を見つけるのは素晴らしいことだと思いますが、自分のやりたい仕事を目標第一に就職しようとするのは疑問が残ります。まだ「ビジネス力」がない状態なのに自分のやりたい仕事をしようとする人が多すぎると感じるからです。この記事を読んで「だから、仕事ができない人が多いのか」、と腑に落ちました。まだこの調査結果に「やりたい仕事をするためなら、リスクは覚悟している」、と答えがあるのであれば、まだ将来に期待が持てるのですが。この記事にあるように、うまく行くのはある程度仕事をこなしている人の場合のみだと思います。(2011/10/04)

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いただいたコメント

やりがいがある仕事を見つけるのは素晴らしいことだと思いますが、自分のやりたい仕事を目標第一に就職しようとするのは疑問が残ります。まだ「ビジネス力」がない状態なのに自分のやりたい仕事をしようとする人が多すぎると感じるからです。この記事を読んで「だから、仕事ができない人が多いのか」、と腑に落ちました。まだこの調査結果に「やりたい仕事をするためなら、リスクは覚悟している」、と答えがあるのであれば、まだ将来に期待が持てるのですが。この記事にあるように、うまく行くのはある程度仕事をこなしている人の場合のみだと思います。(2011/10/04)

かなり前向きに解釈しているように見受けましたが、私は著者が誤解している方に投票したいです。仕事に対して「やりたいこと」というのは、駅前で勝手に演奏している若者の行動を、そのまま会社に適用できると誤解しているからこその発言でしょう。大小企業を問わず、よほどの技術者でなければ新卒者が営業以外のポストに希望通り座れるのは少数派ではないかと。●松下の人員削減は不振のサンヨーを吸収したからであって、記事の主旨とは違う作為的な引用に見えます。例示するならJALや官公庁(社会保険庁)の方が良かったのではないかと思います。国家公務員法に明記されているとおり、意に反した解雇は懲罰要因だけではありませんので。(2011/10/03)

ええええ、この記事に書いてあること、ほんとですか???ぜんっぜん実感わかないんですけど。最近、学生や新人と接する仕事をしていない32歳だから、若者の志向の実態を知らないだけ?今も昔も、収入さえあればいいとか、出世したいという若者は多くなかったですよ。そうではなく、総合的に得られるものの大きさを想定して、新卒では大企業を、その後ベンチャーや中小企業、企業して独立といったルートを辿りたいと思う人が多いのでは??なんだか我田引水で説得力を感じない記事でした。(2011/10/03)

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