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日本企業が知財で勝てないワケ

コーヒータイムで流れが決まる

  • 安西 洋之,中林 鉄太郎

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2011年10月19日(水)

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 「日本の企業は長期的な考え方をするとよく言われますよね。でも今の知財について言えば、そうじゃない。長いようでいて短いのが日本だと思います。特許が有効なのは20年ですから、10年先を狙い、更にその後の10年で稼ぐ世界です。でも日本企業は数年先でしか知財を考えていないと思えるところが多いのですよ」

 こう語るのは二又俊文氏。パテントプールの世界でトップグループに入るイタリアの会社、シズベルの日本法人の相談役(前代表取締役)だ。同社は特に通信や電子分野を得意とする。パテントプールは「基本的には、特許権者から独立した第三者組織が、特許管理会社として特許権者からサブライセンスの許諾を受け、ライセンスを実行したい者に対して許諾を行い、そこで得られるロイヤリティ収入を特許権者に配分を行う。特許管理会社はロイヤリティから一定額を運営費として受け取る」(『特許ニュース』2011年9月15日号、二又俊文『知財係争の激化と新たなパテントプールの潮流』)。この特許管理会社がシズベルのような会社だ。

知財戦略は防御ではない

 今回は前のシリーズを含めると、ちょうど1年続いた本連載の最終回である。
 連載の目的を端的にいえば、ローカリゼーションをひとつの視点として世界を描いてみること。異文化理解のコツを獲得するのが主な狙いである。異文化理解は個人の関係まで含めて汎用範囲は広大だが、このコラムは日本企業の海外展開を想定して書いてきた。

 最後のまとめは、若干方向を変えよう。パナソニックで知財に関わり、その後立場を移して世界各国の特許状況を追うことになった二又氏から、日本が知財でどういうポジションにあるかを伺う。知財をテーマにするのは戦略的な考え方の是非がダイレクトに見えるからだ。

 「日本では知財というと防御という考え方が強く、あわよくばクロスライセンスでウマミがとれれば・・・で欧・米企業とは全くスタンスが異なります」(二又氏)。

特許は総合芸術の域に達している

 特許は「点」でとるのではなく、「面」あるいは「塊」で取得しなければ効率が悪いと言われる。しかし、これは一面の真理にすぎない。長期的な視点からどこに戦略的な重要性があり、そこでどのようにして面で取るかが問われる。二又氏はドイツのある代表的メーカーの例を話す。

 「戦略的技術分野の設定はどこでもやっています。しかしそのレベル、精度には差があると思います。そのドイツのメーカーは、該当フィールドの特許取得の戦略を確実なしくみとして、経営戦略にまで取り込んでいます。開発エンジニアと社内の知財担当、それに外部のエキスパートが同じテーブルについて対等に話し合うのです。普通は技術者が決めて知財担当が従うことが多いのです。また、その時だけではなく、業界や技術の進化をみながら継続して2年、3年あるいは5年と追っていきます。特許は今や総合芸術になっていますから、それぞれのエキスパートが力をあわせて何度も練り上げないといけないのです」

 戦略をしっかりたてたから成功が必ず到来することはない。が、成功の確率はあげないといけない。「知財の世界も失敗だらけ」(二又氏)であるし、10年先のマーケットが読み切れることがまず不可能ななかで、委縮せずに前向きにやっていくことが唯一成功への近道である。「押さえるべきところを押さえる」にあたり、なるべく広い世界に足しげく通うことが大切だ。

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