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企業の「大学化」で異能を生かす組織を作れ

東京一極集中という「中華思想」からの脱却を

  • 築達 延征

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2011年10月18日(火)

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 東日本大震災でサプライチェーンや物流網が寸断され、日本企業の多くは事業活動の停止を余儀なくされた。その反省から、新たに創造していくべき経営のモデルとは──。企業で経営再創造の最前線に立つ実務家の取り組みや識者の論考を通して模索していく。

 今回のテーマは、企業の組織のあり方とそこでの人々の働き方。震災は、既存の企業の組織や人々の働き方に、大きな疑問を投げかけた。それを受けて、本社や生産拠点の分散化を検討し、サマータイムや在宅勤務を導入する動きが広がった。

 果たして企業の組織や人々の働き方は今後どう進化していくのか。創造的な職場のあり方を研究し、企業の危機管理にも詳しい築達延征・広島大学大学院社会科学研究科マネジメント専攻教授が独自の見方を示す。

 東日本大震災で広域にわたってサプライチェーンが寸断されたことなどを受けて、企業の組織のあり方を問い直す動きが広がっている。一方で、福島第1原子力発電所で事故を起こした東京電力の企業倫理に対しては依然として強い批判が集まっている。

 だが、組織を見直す必要性や企業倫理の重要性は、以前から指摘されてきたことだ。決して新しい動きではない。

 例えば1997年に起きた金融危機。同年に北海道拓殖銀行や山一証券が経営破綻し、翌98年には日本長期信用銀行や日本債券信用銀行も破綻して国有化された。

 原発の事故になぞらえれば、この危機において日本の金融や資本市場は「メルトダウン」を起こした。そして、金融だけでなく行政や一般企業も、その「体質」、経営学の専門用語で言えば、「組織文化」を痛烈に批判された。当時、いわゆる役人の天下りの問題が大きく取り上げられたことを覚えている人も多いだろう。

 この時に日本の旧来の組織文化は否定されたはずだったが、実際には温存されていた。そして問題が起きるたびに表出する。2009年に米国で表面化したのを皮切りに世界に広がったトヨタ自動車の大規模リコール(回収・無償修理)も、その根底には旧来の組織文化を変えずに温存していたことがある。今回の震災で噴出した様々な問題も、私から見れば同様だ。

組織文化の変革を促す2つの要因

 なぜ危機や問題が起きるたびに糾弾されてきたにもかかわらず、日本の企業や行政の組織文化は変わらないのか。それは、人々の間で本物の危機感が広く共有されなかったからだ。

 「今のままでも、収入は下がるけれども、それなりの生活を送っていける」。多くの人々が本音ではこう思っていたら、変わるはずがない。

 だが、今回ばかりは違うかもしれない。というのも、人々がこうした思いを抱けないような窮状に陥る可能性が高いからだ。

 理由は2つある。1つは、製造業のサプライチェーンが寸断されたために多くの企業で生産活動が止まって、輸出を通して外貨を稼げなくなったこと。もう1つは、福島第1原発の事故とその事後処理のもたつきから、日本に対する国際社会の目が我々日本人の思っている以上に厳しさを増していることだ。

 中長期的には後者の要因が大きく響く。震災の発生から半年余りが経過し、サプライチェーンが回復して製造業の生産も再開し、再び輸出をできるようになってきたが、信用の低下が足かせとして残るからだ。

 さらに円高の進行が加わって、日本企業の製品が海外で売れない事態が長期化する可能性も否めない。そうなれば、日本の政府や企業も組織文化の変革に乗り出さざるを得なくなるはずだ。

コメント10件コメント/レビュー

久しぶりに良い記事をお目にしました。今世界は大きく揺れ始めています。アダムスミスが想定もしなかった、或いは中世イタリアのコンメンダが想像もしなかった、または西インド会社が予想だにしなかった資本主義経済の行き詰まりの様相を呈しています。世界の総人口に比してモノは溢れ始め(しかし、今のまま経済成長を求めていけば資源は枯渇し突然極度のモノ不足になるかましれません)、その副作用の異常気象が表出し、資本主義的自由市場経済のパックボーンである経済成長論が人間を幸福にする時代は既に終わったのではないのでしょうか。結局行き着いた果てが分配を当初目的とした国家紙幣の世界へ金融市場を形成し、架空の資産である貨幣でバブルをおこし、物質的経済危機以上に激しい不況を迎える時代になりました。日本を除く先進国は既にこの状況に危機感を覚え始め、異なる方向への脱出を模索し始めています。日本にも決してアメリカに劣らない自立的、魅力的地域というのは実は存在します。自ら思考模索する癖のない日本人には分かりづらいかもしれません。それは決して社会主義・閉鎖型経済に移行するというものではありません。そろそろ人間性が回復した社会へ転換する時期かもしれません。(2011/10/25)

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久しぶりに良い記事をお目にしました。今世界は大きく揺れ始めています。アダムスミスが想定もしなかった、或いは中世イタリアのコンメンダが想像もしなかった、または西インド会社が予想だにしなかった資本主義経済の行き詰まりの様相を呈しています。世界の総人口に比してモノは溢れ始め(しかし、今のまま経済成長を求めていけば資源は枯渇し突然極度のモノ不足になるかましれません)、その副作用の異常気象が表出し、資本主義的自由市場経済のパックボーンである経済成長論が人間を幸福にする時代は既に終わったのではないのでしょうか。結局行き着いた果てが分配を当初目的とした国家紙幣の世界へ金融市場を形成し、架空の資産である貨幣でバブルをおこし、物質的経済危機以上に激しい不況を迎える時代になりました。日本を除く先進国は既にこの状況に危機感を覚え始め、異なる方向への脱出を模索し始めています。日本にも決してアメリカに劣らない自立的、魅力的地域というのは実は存在します。自ら思考模索する癖のない日本人には分かりづらいかもしれません。それは決して社会主義・閉鎖型経済に移行するというものではありません。そろそろ人間性が回復した社会へ転換する時期かもしれません。(2011/10/25)

このエッセイに対する現時点までの書き込みの幾つかより、少子は原文に対して同感的です。然しながら参考にされている米国社会には此処に書かれていない多くの下地がある事に注意が必要だと思います。少子のたった20年間のシリコンバレーでの生活経験から見ても”基盤の差”、個人の側から見れば「ハードルの高さの差」が多岐多様にあります。勿論各位が仰る様にその全てをコピーするのは、出来ませんし良いことでもありません。然しながら根本を突かずに表層を撫でただけでは、上滑りと指摘されても仕方ありませんね。 本当の問題は、この手の意見は大変多く聞かれるのに実態は変わらない、将棋で言えば「千日手」になっている本質に迫る必要性です。恐らく全ての場面で、殆んどの方の中に在る”既得権”への挑戦になるのではないでしょうか?(2011/10/25)

この記事は、現在における日本の企業を始め行政組織の経営や運営の行き詰まりに警笛を示しているのではないかと思います。世界的な経済システムに歪みが生じ、各国でその対応に手をこまねている状態の中で、今一度、人間としての行き方を見直してみようでないかと訴えておられるのではないかと思います。このことは、ハーバーマスやフーコーのクリティカルセオリーや民主主義思想に通ずるものがあるのではないでしょか。今、我々に必要なことは、目先の小さなことにこだわるのではなく、10年後、100年後を見据え、これから進むべき未来への夢や理想を議論していくことではないでしょか。そういった意味で、意義のある記事だと思います。(2011/10/19)

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