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デクシア解体の影響はどこまで

「日本化」する欧米は持ちこたえられるのか

  • 山口 義正

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2011年10月13日(木)

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 10日、欧州大手金融グループのデクシアがフランスとベルギー両国政府の管理下に置かれ、不良資産の切り離しと銀行部門の一時国有化が決まった。デクシアが抱えるギリシャやイタリアなどの国債価格が下落し、資本不足に陥る懸念が強まっていたためだ。デクシア支援は、欧州の信用不安問題が「ギリシャをどうするか」という段階から、「ギリシャ問題でのたうち回る金融機関をいかに救うか」へと移行したことを意味するものだ。

 経営難に見舞われた金融機関への支援が始まる一方で、スロバキア議会は12日に欧州金融安定基金(EFSF)の強化を否決。再採決で可決されるとの期待が根強いが、重要な問題を一致協力して決断することができない欧米の現状を改めて印象付けた。「まるで…」と思っていい。「…不良債権問題に苦しむ邦銀に資本注入するかどうかでもめ続けた日本のようだ」と。

 これと前後して、欧米金融機関の経営問題は日本の大手金融機関にも影響し始めた。リーマンショック時に米国の大手金融機関を支援するために資本参加した日本の大手銀行に対して、10月に入って保有する米銀株が下落して減損処理を迫られるのではないかといった観測が浮上。各行は、その火消しに追われた。減損処理とは資産価値が元通りに回復する見込みが小さくなった場合に、その価値を時価評価し直すものだ。このところの欧米金融機関の株価がどれほど大幅に下落したかを物語る。

 こうしたマーケット現象を細かくチェックしていくと、類似点は驚くほど多い。そこで、日本が「失われた10年」の間に経験した現象と、欧米で現在進行中の問題を比較して考えてみよう。

バブル崩壊後の日本と酷似

 「japanization」「japanification」「turning Japanse」――。信用不安問題が世界を覆いかねないなか、国内外のメディアで、欧米の「日本化」が盛んに報じられている。日本化という言葉に明確な定義はないが、「困難な決断を政治家が先送りした結果、経済状態がさらに悪化して問題解決が困難になってしまうこと」を指すようだ。

 しかし具体的に何がどう日本化しているのか?

 欧米の中央銀行における政策判断や、要人発言にもその兆しは明確に表れている。1990年代後半には、デフレに悩む日本銀行の金融政策をこき下ろしていたベン・バーナンキFRB(米連邦準備制度理事会)議長は、6月、手詰まり感が濃くなってきたFRBの現状を当時の日銀を重ね合わせて「今は少し(日銀に対して)同情的になっている」と述懐した。

 また欧州中央銀行(ECB)は今年4月に政策金利の引き上げを決めたものの、その後のギリシャ問題を受けて追加利上げの観測は完全に消し飛んだ。2000年8月にゼロ金利政策をいったん解除した日銀が、7カ月後に再びゼロ金利政策を復活させなければならなくなった姿と今のECBのスタンスがやはり重なる。

 日本とよく似た状況に陥っているのは、政府や中央銀行の経済・金融政策ばかりではない。市場で起こる一つひとつの現象をみても、同じことが言える。

 例えば総合商社のA社。1997年のちょうど今頃、ある信用調査会社の調査員から筆者に電話が入った。

 「A社について、株式市場で何か悪い噂は流れていませんか?」

 聞けば、発表されたばかりの中間決算で、A社の現預金の残高が40億円に減少してしまっているという。半年前には1200億円あったのが急減し、調査会社に問い合わせが殺到したというのだった。売上高が何兆円もある総合商社にとって、まとまった支払いが一時期に重なってしまえば、40億円の現預金などあっという間に消し飛んでしまいかねない。そうなれば、資金繰り倒産に陥ってしまいそうなほど、心細い金額である。一般家庭でも1200万円あった預貯金が一気に40万円に減ってしまったら、「もう後がない」と焦るだろう。

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