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会議室につながれた首輪を外そう

[10]罪もない人間が“投獄”されれば、脳は自己否定を繰り返す

2011年10月24日(月)

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 今回は、私がこれまで出席した会議の中で、もっとも「キツイ」と感じた会議を初めに紹介したい。

 どんな会議だったかというと、まず会議の時間は「8時間」。会議の参加者は「不明」(10~13人か)。会議目的は「顧客への提案内容の検討」。会議の結論は出ず、私に「丸投げ」。こういう会議であった。

 詳細を書いていこう。

推測だけで「あーでもない、こーでもない」

 私が上司から呼び出されたのが午後4時である。そのとき私はある顧客対応に追われており、デスクに張りついて手が離せない状態だった。しかし上司に「すぐ終わるから」と言われ、私は無理やり会議室に連れ込まれた(ちなみに私を会議室に引っ張り込んだ上司はほかの会議室へと姿を消した)。

 まだ分煙のポリシーがない時代だった。会議室内にいたマネジャーたちはこぞってたばこをふかし、パチンコ店かと思うぐらいに室内は曇っていた。私はたばこを吸わないので、1歩室内に入ると、何度か咳き込む。が、いつものことなので私は無理やりに体をなじませていった。

「ある顧客に対し、明日までに提案書を書かなくてはならない。そこで横山も会議に加わってほしい」

 会議室の席に座るやいなや、そう言われた。私はほかの顧客対応があったが、とても「無理です」と言える雰囲気ではなく、まずは「どういうことなんですか」と聞いてみた。

 そこから情報共有、意見交換、議論…、が始まるのだが、どうもそこにいたメンバーは顧客の真の声を聞いておらず、ただの推測だけで「あーでもない、こーでもない」と言ってばかりいるようだ。揚げ句の果てには、顧客に対するボヤキが始まる始末。

「だいたい、あの部門長は何を考えているか分かりませんな。我々を業者扱いしてるとしかいいようがない」
「その通りなんだよ。完全に俺たちはいいように使われてる」
「一度、言ってやってくれませんか。おたくには、あの『○○(ピー!)社』ぐらいのほうが釣り合ってるって」
「はっはっはっはっはっ! 全くそうだ。そう言われた時の部門長の顔を見てみたいわ」

3人ともかなり酔っていた

 話題がドンドンそれ、約30分無駄話をしてから、再び本論に戻るという繰り返し。いっこうに話が前に進まない。4時間が過ぎ、夜8時になってから、ほかのフロアにいるはずの営業部長が顔を出した。

「何をやってんだ」
「あ、部長。実はですね。このお客様に対する提案内容を揉んでまして」
「聞かせろ、オレにも」

 それから営業部長に対する説明が始まった。さんざん説明したあと、「ま、一発、デカイ提案してくれや」と言って部長は去っていった。この時、夜の9時半。会議召集時のメンバーは既に私と一部の人間しかいなくなっていた。

 ちなみに私はそれまで、1度しか会議室を出ていない。理由はトイレである。トイレから会議室に戻るまでの間にデスクに寄り、軽くメールをチェックすると10件以上の新しいメールが受信トレイに入っていた。パソコンはデスクトップタイプだったので会議室には持ち込めない。いくつか気になるメールがあったが、後ろ髪を引かれる思いで私は会議室に戻った。

 小休止することなく夜10時を超えた。たばこの煙で頭が朦朧としており、私はほとんど何も意見を出せない状態になっていた。手元にあった資料に何かをメモするが、ペンを持つ指もかすんで見える。

 もういい加減やめてほしい。これ以上、不毛な議論を繰り返してもしょうがない。横山に一任するから提案書を書けと、そう指示してくれ。どうせこんなことやったって、顧客からは「ちょっと違うんだよなぁ~」と言われるに決まっている。これまでだってずっとそうだった。議論するだけ無駄に決まっている…。

 10時半ごろ、議論が行き詰まり、そろそろ解散かという雰囲気になり始めた頃、とんだ食わせ者たちが会議室へ乱入してきた。システム事業部の部課長3人だった。一杯ひっかけたあとに事務所に戻ったようで、3人ともかなり酔っていた。

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「会議室につながれた首輪を外そう」の著者

横山 信弘

横山 信弘(よこやま・のぶひろ)

経営コンサルタント

CSK、日立製作所を経て、現在アタックスの主席コンサルタント。営業目標予算の2倍の材料を仕込む、組織マネジメント「予材管理」が注目され、コンサルティングのみならず、セミナー講師としても人気を博す。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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