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事実しか見えない「こうなってますおじさん」

事態収拾に全く役に立たない【書き込み募集中】

  • 小林 暢子

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2011年10月24日(月)

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 佐藤治夫・老博堂コンサルティング代表と「残念なミドル(課長・部長など中間管理職層)」について考える本連載、第3回はミドルの「洞察力」と「巻き込み力」を取り上げる。

(構成は小林暢子=日経情報ストラテジー副編集長)

―― 前回はミドルの部下育成能力についてお話をうかがいました。部下のアイデアや提案に適切なフィードバックをするには判断力が必要で、それは上司である以前に、経験を積んだビジネスパーソン、すなわちミドルとして備えていなくてはいけない能力なのですね。

佐藤 治夫(さとう はるお)氏
老博堂コンサルティング 代表
1956年生まれ。79年東京工業大学理学部数学科卒業、同年野村コンピュータシステム(現野村総合研究所)入社。流通・金融などのシステム開発プロジェクトに携わる。2003年スタッフサービス・ホールディングス取締役に就任、CIO(最高情報責任者)を務める。2008年6月から現職。著書に『ダメな“システム屋”にだまされるな!』(日経BP社)など。
(写真:北山 宏一)

佐藤:人は何かを見たり、誰かの話を聞いたりした時、心の中で「観察」「分析」「洞察」「表現」というサイクルが回っているんですよ。観察とは情報に触れること、分析とは何かと比較対照して評価すること、洞察はそれをより深めることで、そうして達した結論を何らかの行動として表現するんです。

 ところが人によっては、分析や洞察というステップがすっぽり抜け落ちて、観察したことをそのまま口に出すしかできない。「トラブルが起きました。お客様は怒ってます」とかね。これを私は「こうなってますおじさん」と呼んでいます(ITpro『「こうなってます」は何も言っていないのと同じ』) 。

 お客さんが怒ってるかどうか見に行かない人よりはましだけど、今起きている現象がどの程度悪いのかとか、なぜそういうことが起きたのかを考えないので、事態収拾に全く役に立たない。こういう人は、部下にとって頼れない上司であるだけでなく、彼自身の上司から信頼も得られないし、自分の考えが無く人として面白くないので同僚や友人からも軽んじられてしまうんです。

―― まさに残念な感じですね。分析と洞察はどう違うのでしょうか。

佐藤:分析とは何かと比較すること。「今回生じたトラブルは過去と比べてどれくらい深刻なのか」という比較対象で考えられれば、対策のメドが立ちやすい。部下から相談を持ちかけられても、自分の過去の経験や他の部下の仕事と頭の中でさっと比較して良しあしを判断できるわけです。分析対象となる事象をストックするためには、普段から情報を収集したり人脈を築いておいたりする必要があるんだね。

 ただし、ここで終わってしまっては単なる「物知りおじさん」止まり。「関が原で東軍が勝ったのは、小早川秀秋が裏切ったから」ということを知っていても、ではなぜ小早川はそういう行動を取ったのか、ということまで考えようとしない。そこに踏み込むのが洞察力なんです。

洞察力が高い人は勝負に負けない

 IT業界の最近の話題で言えば、「スマートフォン業界ではiOS(iPhoneの基本ソフト)とアンドロイドが有力です」という話しかできない人は、観察のみの「こうなってますおじさん」。分析力があれば、それぞれの特徴やメリットを説明できるが、「ではどちらをうちの顧客企業に勧めるべきか」までは決められない。そこで「当社のお客様はどちらに魅力を感じるか。それはなぜか」というところまで考えを進めるのが洞察力で、これがあって初めて仮説を立てることができるわけ。

 僕が以前いたコンサルティング会社では、アナリストとコンサルタントという2つの職種がありました。前者は分析、後者はお客さんへの提案という表現を担当する。で、両方に必要なのが洞察力。現象として表出していないものの裏側をつかむということです。偏差値の高い人を採用している会社は一般的に分析力が高い人が多いんです。洞察力が高い人は勝負に負けない。さらにそこに表現力があると勝てる。

―― 大事ですね、洞察力。どうやったら磨けるんでしょうか。

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