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新電子立国・台湾~世界を制する受託製造モデル

  • 石原 昇

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2011年10月27日(木)

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 アップルの創業者スティーブ・ジョブズ氏の遺産となった新型スマートフォン「iPhone4S」。追悼ムードも加わり、10月14日の発売から3日間で、販売台数は400万台を超えた。これは前機種「iPhone4」の発売3日間の記録170万台を大きく上回り、電話機関連で過去最高の販売ペースとなっている。

ハイテク分野で圧倒する台湾メーカーの存在

 快進撃を続けるアップルの大ヒット商品の生産は、台湾メーカーが支えている。この「iPhone4S」や「iPad2」の本体は、鴻海(ホンハイ)精密工業(Hon Hai Precision Industry Co.Ltd:通称フォックスコン)が量産している。多くの部品も台湾製だ。次世代プロセサの「A6」は、TSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company Ltd:台湾積体電路製造)が受注する公算が高くなっている。

 ハイテク分野に占める台湾メーカーのシェアは圧倒的である。例えば半導体。その生産シェアは米国、日本に次ぐ3位の18.2%ながら、ファウンドリに限れば68.2%、最終工程のパッケージング(封止)では45.6%、テスティング(試験)では67.2%を担う。パソコン生産ではデスクトップが46.0%、ノートブックが93.7%と寡占状況にある。台湾メーカーの存在なくして、現代のハイテク生活はあり得ない。

 かつて家電や半導体で世界を制した電子立国・日本に代わり、台湾は新電子立国として世界に存在感を示している。

 ただし、台湾は電子製品において、自社ブランドを投入するメーカー――パソコンのACERやASUS、スマートフォンのHTCなど――よりも、EMS(電子機器受託製造)やファウンドリ(半導体受託製造)など影の主役が大勢を占めている。

量産工場を分散し、M&A戦略を進める鴻海グループ

 新電子立国・台湾のトップ企業は、企業規模で見るならば鴻海精密工業だ。売上高7.6兆円、雇用者数100万人を誇る。企業価値ならばTSMCである。営業利益は4100億円、時価総額は5兆円近い。いずれも、受託製造に特化し、電子機器と半導体の分野で世界を席巻している。

 電子機器の受託製造(EMS)で世界最大の鴻海精密工業は、2008~2009年のリーマンショックによる急激な落ち込みを経て、2010~2011年は転機を迎えている。2010年の連結売上高は、前年比40%増の約2兆8000億元(7兆6000億円)に達した。アップルのiPhoneやiPad、ヒューレット・パッカードのパソコン、ノキアの携帯電話、Vizioのテレビ、任天堂のWii、ソニーのPS3、マイクロソフトのXboxなど、有力製品の受託製造が牽引した。アップル向けの売り上げは全体の2割近くを占める。

 一方で、2010年は人材難に陥った。12人の中国人従業員が相次いで自殺したことが報道され、低賃金での過酷な労働実態が問題視されたからだ。そこで最大2.2倍の大幅な賃上げを実施した。その一方で、30万人を雇用していた深圳の量産工場を分散化し、重慶、成都、鄭州など中国内陸部の拠点を強化している。ベトナムなどに続き、ブラジルへの進出も本格化する。このため人件費と工場立ち上げの負担から利益率は低下し、株価も低迷している。

 一代で台湾最大の企業を育て上げ、世界の大富豪100人に名を連ねる郭台銘(テリー・ゴウ)会長は、2012年からの再成長に自信を示す。今までの成長の軌跡はまさに奇跡だ。1974年に10人で創業。テレビ用のプラスチック部品の製造から事業を始めた。80年代にパソコン用のコネクターを手掛け、インテルに採用されたことが成長のきっかけとなった。そして90年代の中国進出とパソコン本体の受託製造で飛躍した。

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