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英国並みの国民負担率で、国民の医・食・住を保障できる

消費税、金融資産税、相続税を試算する

2011年10月28日(金)

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 前回のコラムで15兆円の追加財源があれば、医療・介護をすべて無料化し、生活保護手当て支給のカバー率を100%にできることを説明した。15兆円あれば「国民の誰もが医・食・住を保障される国」が実現できるということである。

 では、その15兆円という追加財源を捻出することは可能なのか。
 私は十分に可能であると考えている。

イギリス並みの国民負担率で、30兆円の増収

 まずマクロの観点から見てみよう。現在の日本の国民負担率(国民所得に占める税と社会保険の合計額の割合)は約40%である。高福祉高負担の代名詞とも言うべき北欧諸国の国民負担率(65%~70%)とは比べるまでもないが、仏(約60%)、独(約52%)、英(約50%)と比べても日本はかなり低い水準である。

 高齢化率が日本より低い仏、独、英が50%~60%であることを考えれば、日本が国民負担率をそれと同等の水準にまで上げるのは非現実的な選択ではない。もしイギリス並みに国民負担率を約50%に上げたならば、約30兆円の増収になる。15兆円を優に賄って15兆円もおつりが来る計算になる。

 では、具体的にはどういう税や社会保険で財源を確保すべきであろうか。
 以下、国民負担率を10%程度アップさせるケースを念頭に、可能性のある追加財源のアイデアを示していこう。

消費税は安定財源だが逆進性が問題

(1)消費税

 まず目につくのが消費税のアップである。先進国における消費税率は15%~20%が主流である。例えば仏が19.6%、独が19%、英が17.5%となっている。国民負担率が日本より低い唯一の先進国であるアメリカですら8.875%(ニューヨーク州)である。成熟社会を迎えて社会保障政策の財源を確保するためには、景気の波の影響を受けやすい所得税よりも安定した税収を見込める消費税は適当な財源である。もし消費税率を10%アップして15%にすれば、約22兆円の税収増になる。先の15兆円はこれだけで十分賄える。

 ただし消費税のアップは副作用を伴う。それは所得に対する逆進性の問題である。所得税は所得金額が大きくなるにつれて税率を上げる累進課税方式によって、豊かな人からより多く集め、貧しい人の負担を軽くするという工夫を施しやすい。一方消費税は、高額所得者にも低所得者にも同率で課すことになるため、低所得者の負担が相対的に大きくなってしまう性質がある。

資産課税は再配分機能に優れている

(2)資産課税

 では消費税の逆進性を緩和するためにはどのような税が適切かというと、「資産課税」が挙げられよう。多く稼ぐ人は一般に多くの資産を保有している。そこで多くの資産を保有している人に税金を多く負担してもらう資産課税は、所得の再配分機能に優れた、福祉社会と相性の良い税だと言える。

 そしてこれからは資産課税の対象として金融資産も含めることが望ましい。そもそも資産を預金や証券で持っている場合には課税されないのに、そのお金を土地に換えた途端に固定資産税を課せられるというのもおかしな話である。

 実際に金融資産課税を導入する場合、税率については色々考えられる。仮に土地に対する固定資産税と同率の1.4%に設定すると、個人金融資産1400兆円から徴収できる税額は毎年約20兆円にも上る。もし税率を1.0%としても14兆円の税収になり、国民に医・食・住を保障するための追加費用15兆円のほとんどを賄える。

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