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“普通のもの”を大ヒットさせた開発チーム

コカ・コーラのミネラルウォーター「い・ろ・は・す」

  • 北原 康富

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2011年11月2日(水)

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 イノベーションとは、新しい技術や製品を作り出し、顧客にとってそれまでになかった新しい価値を提供することである。
 一般的には、「画期的な新技術の開発」「新しい製品コンセプトの創造」といった派手なニュアンスがあるが、今回取り上げるのは、我々にとって不可欠だがどこにでもあるモノ…「ミネラルウォーター」のイノベーションだ。

 日本コカ・コーラの大ヒット商品「い・ろ・は・す」を世に出したチームは、マーケット伸張の鈍化傾向が続いていたミネラルウォーター市場にイノベーションをもたらした。

 このチームは、企業に多々みられる“新規参入チーム”の1つだ。新規参入を担うチームというのは、どんな分野・業種であれ、苦悩と挫折の連続だ。

 しかも、ミネラルウォーターという、普通に考えただけでは、どこに新しさを加える余地があるのだろう、と考えてしまうような難しい領域だ。今回は、このような難しい条件の中で成功を収めた「い・ろ・は・す」プロジェクトチームに、イノベーションチーム成功のカギを見ることにしよう。

明確なミッションでチームがキックオフ

 「い・ろ・は・す」が世に出るまで、コカ・コーラ社はミネラルウォーター市場において他社に差をつけられていた。「アクアセラピーミナクア」など「い・ろ・は・す」以前の製品は、自販機にはあるものの、コンビニには置いていなく、知名度も高くはなかった。

 ミネラルウォーター市場は長きにわたって、輸入水が大きながシェアを占めていた。各カテゴリーで多くのトップブランドを所有するコカ・コーラ社にとって、このミネラルウォーター分野の強化は必須であり、その起死回生を任されたのがこのチームであった。

 チームリーダーである日本コカ・コーラ社マーケティング本部ウォーターカテゴリ―統括部長の福江晋二氏は当時のことをこう語る。

 「弊社には、すでに各飲料分野で数多くの定番製品がある中で、ミネラルウォーター分野だけはなかった。確立されたブランドをどう維持・発展するかという策を考えるのが他部門のマーケティング業務ですが、ウォーター分野においては、ゼロからブランドをつくることから始めました。これは弊社の中では稀な試みだったんです」

 2008年5月に、第1回のオフサイトミーティングを開き、ウォーター市場の現状分析から始めた。自社製品の評価は他社のものより低く、ミーティングは最初あまり活気があるとは言えなかった。そのような中で、粘り強く一つひとつ調査資料の事実を確認していくと、次の製品へのヒントがいくつか見えてきた。

 ミネラルウォーターは、継続購入率が高い。一度買い始めるとあまり他の製品を試すことがないという事実がある。次に、日本人には軟水が受け入れられやすい。一時期輸入水が人気を誇っていたが、中硬水や硬水は、日本人にとっては少し飲みにくいと感じられることが調査で分かってきた。

 コカ・コーラ社は、主要製品のコカ・コーラを始め、あらゆるパッケージの軽量化を長年研究してきていた。コカ・コーラのパッケージの軽量化は1982年から、ミネラルウォーターにおいては1996年から取り組んでいた。技術部門の社員から、間もなくより軽いパッケージが実現できそうだ、ということを福江氏は聞いた。

 水のおいしさは、違いが明確にわかるものではない。しかし、安定した天然水(軟水)のおいしさを伝えること、それにペットボトルの軽量化を組み合わせることで新しい価値が創造できないかと考えていた。

「ちょうど『エコ』という言葉がはやり始めた時期でもありました。エコバッグが出現したり、ミュージシャンによる環境をテーマにしたイベントが行われるようになってきたり。それまで“環境問題”というと生真面目な、というイメージがありましたが、おしゃれ、ファッションになるような新しい流れが来ていると感じていました。そこで、『環境』というキーワードと水を繋げられないかと思いました」

 「おいしさ」と「環境」をコンセプトとした新しいこのミネラルウォーターを創る…プロジェクトチームは、明確なビジョンのもとにキックオフした。

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