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「首相の器」を考える

日本のトップは、なぜすぐやめるようになったのか?

2011年11月9日(水)

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 今回ご登場いただくのは、政治学者の御厨貴・東京大学先端科学技術センター教授です。御厨教授といえば、オーラル・ヒストリーの第一人者。宮沢喜一氏や竹下登氏、後藤田正晴氏など強い影響力を持っていた政治家の生の声を聞き書く「オーラル・ヒストリー」の手法で、日本の近現代政治の深層を読み解いていらっしゃいます。

 2008年9月、福田康夫元首相が突然辞任した際にも「日経ビジネスオンライン」で、「首相の器」について語っていただきました。

 それから3年。日本の首相は、野田佳彦首相ですでに4人目になります。もはや、1年もたない首相まで現れています。

 未曾有の不景気、東日本大震災、東京電力原子力発電所事故、国際経済の危機。日本の政治が直面する問題の数と規模は、間違いなく戦後最大と言っても過言ではないでしょう。まさに、政治家の手腕が試されるとき。そんな日本で、首相の器たる人間は、はたしているのか? そもそも首相とは、何か?

 池上彰さんがときに「生徒」となり、ときに「対話相手」となり、御厨教授と「首相の器」について論じます。

池上:今日はインタビューの達人である御厨先生にインタビューしなければなりません。すごいプレッシャーです(笑)。

 インタビューに先立って、福田元首相が政権を投げ出したときの御厨先生のインタビュー記事を読み返しました。福田さんの名前を差し替えるだけで、そのままその後のあらゆる首相の話として読めてしまいますね。御厨先生は「日本の首相というのはここまで軽くなったのか」と嘆いていらっしゃいましたが、当時よりもさらに「軽くなった」印象すらあります。

「お腹がいたい」で辞めてしまう

御厨:おっしゃる通りです。福田さんの前の安倍晋三元首相以来、どの首相も必ず1年前後で辞めていますからね。安倍さんの辞任以降は、なぜ辞めるのか、という理由すらちゃんと説明しなくなってしまいました。

御厨 貴(みくりや・たかし)
1951年東京都生まれ。1975年東京大学法学部卒。同助手、東京都立大学法学部教授、ハーバード大学客員研究員、政策研究大学院大学教授を経て現職。復興構想会議議長代理、TBS「時事放談」キャスターも務める。主な著作に、『政策の総合と権力』(1996年、東京大学出版会)。『馬場恒吾の面目』(中央公論新社)などがある。
(写真:大槻 純一、以下同)

 その安倍さんにしても、おなかが痛くなって辞めてしまったのですから。

 この間、中学生・高校生に政治の話をする機会がありました。すると、質問の時間に女の子が手を挙げて、こう訊いてきました。

 「安倍さんはどうしておなかが痛いぐらいで首相を辞めたんですか?私は病気になっても学級委員を続けました」と。私も思わず答えました。「あなたが首相になった方が良かったね」。

池上:思わず苦笑してしまいますが、笑えない話ですね。首相の座がここまで軽くなってしまうと、次代を担う子供たちへの影響も大きいような気がします。政治の軽視にそのままつながる話ですから。福田さんの次の麻生太郎さんも、必死で1年間粘ったけれども、自民党政権の幕引きをするだけで終わってしまいましたね。

御厨:では、民主党が政権を奪取して首相のリーダーシップが発揮されるようになったか、というと、そういうわけでもない。民主党初の首相になった鳩山由紀夫氏は、「国を治める」とは程遠い夢物語を自分勝手に語ってばかり。特に日米関係については、普天間基地の移設問題などで言わなくてもいいことを言って、いわば“自損事故”で退陣する羽目に陥りました。

コメント38件コメント/レビュー

冒頭の中学生の質問に対するインタビュアー氏の返答、これが昨今の政治家の質を下げる原因の一員を良くあらわしていると思います。これから政治の何たるか、を学んでいく若い学生に向かって、政治家に対する失望を植え付けることが果たして日本のためになるのでしょうか。学生には、そうしたマスコミの偏った情報だけに惑わされず自分の頭で考え行動し主体的に政治に参加できる素養を養ってもらうべきだと思います。些細なあら探しをし、首相の人格を貶め退陣に追い込む。結局大部分マスコミやインタビュアー氏、及び池上氏もそうした日本をだめにする要素を醸成しているのではないでしょうか。(2011/11/16)

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「「首相の器」を考える」の著者

池上 彰

池上 彰(いけがみ・あきら)

ジャーナリスト

1950年生まれ。慶応義塾大学経済学部卒業後、NHK入局。報道局主幹を経て、2005年3月よりフリージャーナリストとして活躍中。2012年4月から東京工業大学で東工大生に「教養」を教えている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

冒頭の中学生の質問に対するインタビュアー氏の返答、これが昨今の政治家の質を下げる原因の一員を良くあらわしていると思います。これから政治の何たるか、を学んでいく若い学生に向かって、政治家に対する失望を植え付けることが果たして日本のためになるのでしょうか。学生には、そうしたマスコミの偏った情報だけに惑わされず自分の頭で考え行動し主体的に政治に参加できる素養を養ってもらうべきだと思います。些細なあら探しをし、首相の人格を貶め退陣に追い込む。結局大部分マスコミやインタビュアー氏、及び池上氏もそうした日本をだめにする要素を醸成しているのではないでしょうか。(2011/11/16)

会議や委員会に事務局があって実務を担ってるのを管氏が知らなかったとは驚きである。ほんまかいな?。これでは組織リーダーの頂点にある総理が務まるわけがない。どだい、どうやって首相に成れたかが大いなる疑問であったのだが、その程度だから配下のブレーンが不在で浅薄で継ぎ接ぎだらけのメッセージしか発せれない由縁でしょうか。当然に高次元の外力には脆弱極まりないことでしょう。(hy)(2011/11/16)

御厨先生には、是非とも古賀氏との対談をお願いしたい…:-) // 既にあるのかも知れないが、寡聞にして知らず。(2011/11/15)

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三品 和広 神戸大学教授