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「~なんてそんなもんだ」で思考停止

[12]「一般化、歪曲、省略」が引き起こすミスコミュニケーション

2011年11月7日(月)

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 前回予告した通り、今回のテーマは「ミスコミュニケーション」である。ミスコミュニケーションのカラクリを知らないと、会議中にどんなに議論しても話が正しく前に進まない。

 ミスコミュニケーションを引き起こす要素は3つあり、「一般化」「歪曲」「省略」である。一つひとつ事例を交えて解説していきたいと思う。

 さて、まず私が最初に紹介したいのが、「一般化」だ。物事のある一部分だけに着目し、全体を決めつけてしまう思い込みのことを「一般化」と呼ぶ。

 「一般化」というのは例外や可能性を考慮せずに限定してしまうことであり、「みんな」「いつも」「だいたい」「絶対」という言葉が特徴だ。全体像を正しくつかむことなく思い込みで、「絶対~なのだから…すべきである」という表現や「聞いたことがない」「見たことがない」というフレーズもよく使われる。

「そうそう。今の若い人は…」

 それでは、次の会話文を読んで、会話中にどれぐらい「一般化」の表現があるか、探してもらいたい。

  1. 部 長 
  2. 「課長全員に集まってもらったのはほかでもない。当社の経営について、社長からの明確なメッセージが出ている。今回はかなり危機感をお持ちだからしっかり聞いてくれ」
  3. 課長A 
  4. 「社長がメッセージを出す時は、いつも危機感をお持ちになってる時ですな」
  5. 課長B 
  6. 「確かに」

  1. 部 長 
  2. 「コスト意識をしっかりと持てということだった。社長は、当社の社員は、みんなコスト意識が足りないと言っておられる」
  3. 課長C 
  4. 「全員が全員、コスト意識が低いということもないでしょう。コスト意識がないと言ったら、今の若い人じゃないですか」
  5. 課長B 
  6. 「確かに。今の若い人は、みんなのんびり仕事をしていますからな」

  1. 課長A 
  2. 「2年前の新入社員から特にひどくなったと思いませんか」
  3. 課長C 
  4. 「そうそう。今の若い人はデスクの前に座ってると、みんな他人の目を盗んでツイッターばっかりやってる」
  5. 課長B 
  6. 「確かに」
  7. 課長A 
  8. 「ツイッターなんてやってる人間で、仕事ができる人なんて見たこともない」
  9. 課長B 
  10. 「確かに。ツイッターとかフェイスなんとかをやってる若い人は、だいたいそうですな。遊びに来てるんですよ、職場に」

  1. 課長A 
  2. 「私はあのスマートフォンが若者をダメにしてると思いますわ。スマホを持ってる若者はみんなトイレが長い」
  3. 課長C 
  4. 「トイレでツイッターっていうのをやってるんでしょう。はっはっはっはっ!」
  5. 課長B 
  6. 「まったく。ああいうソーシャルメディアが世界をおかしくしてるんだ。絶対に」
  7. 部 長 
  8. 「…ま、ということで、コスト意識をしっかり持てということだ。徹底してくれ」
  9. 課長全員
  10. 「かしこまりました」

それが問題を根深くする

 まさに「一般化」の嵐である。中でも一番分かりやすいのは、誰もが耳にする「最近の若い人は…」というフレーズだ。

 一般化する人は、自分の過去の体験や周囲の人の意見、テレビのコメンテーターの発言などとを組み合わせて、シンプルで極端な結論を導き出す。

「最近の日本の製造業はもうダメですな」
「結婚はね、人生の墓場なんだよ」
「顔のキレイな女は、昔から冷たいと相場が決まってる」

 シンプルなメッセージは話題性があり、キャッチフレーズにはいいが、問題を解決するために活用すべきではない。

 例えば妻に対する悩みを上司に打ち明け、「オンナなんてそんなものだ。子供が生まれたら終わりだと思え」と返されても、何ひとつ問題は解決しないし、気休めにもならない。しかし相談者がそれで納得してしまうこともあり、それが問題を根深くする。

 「女房なんてそんなものだ。みんなそうなんだから仕方がない」と思い込んでしまったら、妻との関係改善などするはずがない。

 こういうことがビジネスでもある。私は現場に入ってコンサルティングをしている身だ。すると結果を出すためには、この「一般化」の表現がとても気になるのだ。

 次の会話文を見ていこう。

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「「~なんてそんなもんだ」で思考停止」の著者

横山 信弘

横山 信弘(よこやま・のぶひろ)

経営コンサルタント

CSK、日立製作所を経て、現在アタックスの主席コンサルタント。営業目標予算の2倍の材料を仕込む、組織マネジメント「予材管理」が注目され、コンサルティングのみならず、セミナー講師としても人気を博す。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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