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「テレビ会議」という愚行

[13]むしろ「社内SNS」の効用を試すべき時

2011年11月14日(月)

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「福岡の山田さーん、聞こえてますかぁ」
「はーい、こんにちは。聞こえてま~す」
「札幌の水野さんはどうですかぁ」
「はーい。こちらも大丈夫でーす」

「名古屋の吉田さんもいいですかぁ」
「はいはい。大丈夫ですよ」
「はい。それでは回線、いいみたいですね。じゃあ、これから会議を始めます。よろしくお願いしまーす」

 これはテレビ会議システムを活用した会議の幕開けシーンである。

「ついで参加者」や「せっかく参加者」

 以前も書いたが、テレビ会議やビデオ会議、Web会議などは議論が深まらない会議の代表選手である。

 テレビ会議は、遠隔地にいる人を会議に参加しやすくする環境を提供してくれる。これによって、主に出張旅費や、移動時間という時間コストをカットすることができる。しかし、投資した以上は回収したくなるという「サンクコスト効果」が働いてしまう。

「せっかくだから、大阪支店の支店長にも顔を出してもらおうか」
「ついでだから、名古屋にいる生産管理の責任者にも出てもらおうか。あそこにも関係のある話だから」

 こんな流れになって、「ついで参加者」が増える。

 会議の人数が増えると、「埋没感」を覚えるのが普通だ。「ついで参加者」や「せっかく参加者」を増やすことによって、意見の出にくい会議となるデメリットがある。したがってスパン・オブ・コントロール(統制範囲の原則)の考え方からして、会議に集める人数は10人以下としたい。

 テレビ会議システムは、やみくもに参加者を増やしてしまうという問題以外に、テレビやパソコンの向こう側にいる人が疎外感を覚えるという問題も抱えている。

 会議に参加しているという「存在」自体を示すことはできても、会議参加者としての本来の役割を担えないことが多い。これまで、報告、確認、情報共有のための会議は意味がないと散々書いてきた。ということは、たとえディスプレイの向こう側にいたとしても、会議の議題に積極参加してディスカッションすべきことだが、これがなかなか難しい。

 問題としてまず第一に、システムトラブルがやたらと多いことだ。

「システムを使うこと」自体が目的となる

「大阪の高田さん、聞こえますか! 高田さん!」
「聞こえてないんじゃないですか」
「おーい、高田さん!」
「おかしいな、テレビには顔が映ってるのに。おい、内線かけてみろ」
「分かりました」
「あ、会議室から出ていっちゃいましたよ」
「トイレか」

「名古屋の寺本さん、少しお待ちください。大阪との回線がうまくつながらないみたいですから」
「名古屋の寺本ですー。分かりましたー」
「あ、高田さん、戻ってきた。おい、内線をかけろ」
「高田さん、テレビ会議システムの音声が入るようにしてください…。え? はい? どうやってやるか分からない?」
「おい! システム部門の主任を呼んでこい。これじゃあ会議にならん」
「すみません、分かりました」

 20分後、ようやく回線がつながる。

「大阪の高田さん、聞こえますかー」
「聞こえるよ」
「それじゃあ、名古屋の寺本さん、いいですか」
「あれ、寺本さんの姿がないですね」
「あ、すみません。私の携帯にメールが入ってました。お客先からの問い合わせがあって呼び出された、とか」
「困ったな。寺本さん抜きでやるか」
「大阪の高田です。まだ始まらないの。始まらないなら俺も10分ぐらい抜けていいかな」
「ああ、どうしようかな。じゃあ、またにしますか」

 なんという無駄だ…。お粗末な時間浪費以外の何者でもない。

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「「テレビ会議」という愚行」の著者

横山 信弘

横山 信弘(よこやま・のぶひろ)

経営コンサルタント

CSK、日立製作所を経て、現在アタックスの主席コンサルタント。営業目標予算の2倍の材料を仕込む、組織マネジメント「予材管理」が注目され、コンサルティングのみならず、セミナー講師としても人気を博す。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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