• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

「チョコレート」と職場の相性はバッチリ

~「キットカット」「ビズチョコ」に見みえる新しいマーケティング

2011年11月14日(月)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 B to B、 B to C、 いやいやC to Cと、マーケティングの構造に関する議論も多いのですが、マーケティングの基本は、いつの時代も消費者の心を動かして、ブランドへの好感をつくることに変わりはありません。それどころか、そうでなければビジネスは成立しない時代に突入したような気がします。

 この構造を見ていて、お気づきと思いますが、ベクトルが一方的。マーケティング・コミュニケーションの方向がまるで変化していないのです。消費者にどういう情報を与えればいいのかという考えに固定している。消費者は、既に自立しているということが理解されていないのでしょうか。

 インターネットの普及はもちろんですが、人と人のつながり、絆が思いのほか浮上してきた状況を考えると、マーケティングも新しい構造をつくらなければならない時に来ているのです。

1つの答えが「B with CでありB with B」

 そのひとつの答えが、B with CでありB with B。ブランドと消費者が手を携えるという構造です。フィリップ・コトラー氏も、「マーケティング3.0」で語っていたように、企業は社会にいかに貢献できるか、社会への存在意義が重要。既に欧米では、社会貢献している企業のブランドなら、同じ価値の「貢献していないブランド」より、価格が高くても選ぶという消費者が80%を超えています。

 ここでよく目にするのは、「だったらCSR(コーポレート・ソーシャル・レスポンシィビリティ)に力を入れればいい」という思い違い。商売は商売で、社会貢献もすればいいだろうというくらいの気持ち。

 しかし、それでは単に企業活動を追加したに過ぎません。本当のB with Cにはならないのです。

 ここにあるのは、企業もブランドも、単に売る立場や売る商品というだけではなく、消費者と共存するという考えです。尊敬できる隣人のような存在。そうでなければ、いずれ市場から撤退を余儀なくされるということ。当たり前と言えばそうですが、傲慢な利益追求の姿勢に対する自然なブレーキなのでしょう。こういう現象を見ていると、まだまだ人間には本質的な理性が残っている感じがしてホッとします。

 この構造は、企業と消費者との協業。ある意味では、消費者が自分の意志でブランドを育てていくということです。場を作ったり、持ちかけたりはしますが、消費者の自由を喜んで見ているという姿勢。なかなか難しいことですが、そこを突破すれば、消費者とブランドとの新しい関係が開けるかも知れません。

受験のお守りとして定着したキットカット

 受験のお守りとして定着したキットカットですが、その根底に流れる哲学には、振り返れば当初からB with Cがあったような気がしています。8年も前ですから、そこまでの確信はありませんでしたが、ブランドが一番前に出て、「キット勝つ」などという発信は絶対に避けていました。

 大事なのは、受験生がキットカットを持っているだけで、「ちょっと勇気が出る」という気持ちを自ら感じること。それは、企業からの一方的なメッセージではつくることができません。受験生を支えるたくさんの人たちと一緒になって初めて生まれるもの。

 そのために、キットカットは少し後ろに下がる。そして、電鉄会社、商店街、タクシー会社、家族や先輩や先生を含めた周りの人たちと受験生が、一緒につくりあげるのを見守っていました。いまから思えば、そんな感じが一番適切な表現でしょう。

 手を出したくなるのを、ジッと我慢して、できることだけをする。このバランスが、キットカットを自発的に受験生のお守りにしたのだと思います。

コメント0

「マーケティング・ゼロ」のバックナンバー

一覧

「「チョコレート」と職場の相性はバッチリ」の著者

関橋 英作

関橋 英作(せきはし・えいさく)

マーケッター

外資系広告代理店JWTでコピーライターから副社長までを歴任。ハーゲンダッツ、キットカット、デビアス・ダイヤモンド、NOVA英会話学校など、数多くのブランドを担当、成功に導く。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック