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中小企業はIT業界の鬼門か

生き残るために必要なシステムの条件は高度

  • 津川 雅良

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2011年11月15日(火)

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 中小企業の社長と聞いて読者の方々は何を思い浮かべるでしょう。営業から資金繰りまで何でもこなし走り回っている姿でしょうか。

 実際に社長をやってみるとそうした姿は当たらずとも遠からずという気がしますけれども、それでよいとは言えません。社長を引き継いだ時、「自分がいなくても回る会社にしよう」と思ったことは本連載の当初に書きました。

 社長が楽をするためには色々な仕掛けが考えられます。コンピューターの利用は避けて通れません。とはいえ中小企業がコンピューターを使いこなすことはなかなか大変です。

 IT業界にとって中小企業は悩ましい顧客でしょう。予算が少ないくせに「パッケージソフトは業務に合わない」と言ってきます。顧客の要望を聞いているといつまで経ってもシステムが出来上がりません。

自社開発を止めてIT企業を選ぶ

 参考までに当社の状況を説明しますと零細企業のわりに案外早くからコンピューターを入れておりました。

 電設資材(電材)業界のメーカー、特に大手メーカーはコンピューターを早くから導入しており、同じ業界の問屋である当社もその影響を受けたのかどうか、1970年頃にはオフィスコンピューター(オフコン)を導入していました。当時は紙テープを使っていたと聞いています。

 2代目のオフコンになると8インチ大のフロッピーディスクが使えるようになりました。私が当社に入社したのは1981年、その翌年に3代目のオフコンに切り替え、この時のシステム導入を担当したオフコン販売会社に82年から出向、91年までプログラマーとSE(システムズエンジニア)を務めました。

 SEもどきを経験したこともあって当社が4代目のオフコンを入れた時からシステムを私が中心になって自社で開発するようになりました。しかし社長になった私がシステムのお守りをし続ける訳にはいきません。

 オフコンという製品ジャンルが消滅してしまったこともあり、2007年に動かした7代目のシステムから開発についてはIT(情報技術)企業に委ねました。

 現在も使っているこのシステムの開発を担当したIT企業を決定するまでに2年間をかけました。IT企業5社の提案や実績を検討し、5番目に紹介されたIT企業を選びました。

 開発を委託するIT企業を決定した後は、当社の現場とIT企業の現場同士で進めてもらおうと私はオブザーバーに徹しました。システム担当業務の引き継ぎと観察が目的でしたが本当に色々なことがありました。

 これからしばらくシステム切り替えの顛末をお伝えします。検討した4社のIT企業をなぜ選ばなかったかという話や社内で起きたあれこれを示します。

最重要だが厄介な「マスター」の管理

 「システムに業務を合わせろ」という記事が雑誌などに一頃散見されました。業務が標準化できますからこの主張には一理あります。ただし、どういうシステムが必要なのか、入れようとしているシステムはどういう代物なのか、つまりシステム設計を相当吟味した場合にのみに可能なことです。

 こうした作業を怠ると旧軍隊が軍服を支給する際に「服に体を合わせろ」と命じたことと同じ話になってしまいます。映画『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2』に出てきた体型に合う服があれば問題は生じないのですが。

 採用しなかった4社の提案には共通点がいくつかありました。その1つは取引先管理のやり方がまずかったということです。4社が提示したパッケージソフトや開発事例を見ると、取引先の情報を得意先と仕入先に分けて管理していました。得意先とは商品を販売する相手であり、仕入先とは商品を買い入れる相手です。

 当社の古いシステムでもこのように分けていました。しかし得意先と仕入先にコードをそれぞれ割り振ったため、同じ取引先に対して得意先コードと仕入先コードが付いてしまいました。コンピューターは便利な道具ですが情報をすべてコードで管理します。

 現実の商売を見ると得意先と仕入先が同一の企業であることはしばしばあります。そもそも取引先を得意先と仕入先とに分けると色々な不都合が生じます。

 得意先とした企業から物を買う意識が生じなくなります。逆に仕入先とした企業に物を売る意識が生じなくなります。しかも仕入先に対し「買ってやる」といった意識が当社側に芽生えてしまい、よろしくありません。相殺処理が複雑になるという問題もあります。

 そのため私がシステムを自社開発をした際に「得意先と仕入先を区別せず、どちらもお客様と呼ぼう」と宣言し、社内で徹底指導しました。コンピューターの上でも取引先マスター(取引先の情報をまとめたファイル)に統一し、得意先マスターと仕入先マスターは作りませんでした。

 このやり方を続けたかったので得意先と仕入先に分けた提案は採用しませんでした。これらを分けて管理しているシステムからは設計の古さも感じられました。

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