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「IT中毒」の会社が陥る会議漬け

[14]仕事を減らしたくない事務方が導く無限ループ

2011年11月21日(月)

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  1. IT企業の
    営業
  2. 「こちらが他社システムと比較した、当社サービスのメリットをまとめた資料でございます」
  3. 企画部課長
  4. 「ふーん。この他社さんのシステムも聞いたことがあるよね」
  5. IT企業の
    営業
  6. 「ええ。他社さんのシステムも悪くはないと存じますが、御社の課題を解決するためには当社のシステムのほうがよろしいかと」
  7. 企画部課長
  8. 「うーん」

  1. IT企業の
    営業
  2. 「ところで経営会議で話していただけましたでしょうか」
  3. 企画部課長
  4. 「いやいや、まだだよ。うちの部長がもっと検討しろというものだからね」
  5. IT企業の
    営業
  6. 「そうですか…。それではどうでしょう。来月、展示会がありますので、そちらにお越しいただけたらと」
  7. 企画部課長
  8. 「それに参加すると何が分かるの」
  9. IT企業の
    営業
  10. 「他社の豊富な成功事例が紹介される講演がございます。ぜひ部長さんとご一緒に来られてはと存じますが」
  11. 企画部課長
  12. 「うーん。ちょっと社内で検討してみるよ」

  1. IT企業の
    営業
  2. 「管理本部の方との検討プロジェクトに関してはいかがでしょう」
  3. 企画部課長
  4. 「ああ、そっちは心配しなくてもいいよ。あっちはあっちでプロジェクトを発足して検討に入ってるから」
  5. IT企業の
    営業
  6. 「ありがとうございます。ぜひともよろしくお願いいたします」
  7. 企画部課長
  8. 「ま、この資料は預かっておくよ。とにかく他社のシステムも見てみないと、何とも言えんからねぇ」

IT企業のターゲットは事務方

 今回は各社で会議を増やしている「IT化」について語ってみようと思う。

 企業が新しいITを導入する目的は、大きく分けると2つしかない。

 1つは「イノベーション」である。従来の手法と異なる革新的なアイデアをIT化によって実現することにより、業務にイノベーションを起こすことができる。もう1つは「合理化、効率化」対策だ。ITを使った方が、今までのやり方よりも効率化し、業務の生産性をアップさせることができれば企業競争力は高くなる。

 前者と後者とが異なるのは、後者の場合、結果的に「効率化」されないのであれば、そのIT技術は要らないということである。他社も導入しているからといって検討するのは浅はかな考えだ。

 しかし、である。

 本当は必要か不要なのか分からないのに、ITを導入検討したくなる人たちがいる。それが、いわゆる「事務方」と呼ばれる人たちだ。企画部や社長室といった、企業の事務方部門はIT化の検討、導入サポート、お守りをするのが仕事の大半を占めていたりする。最初はそのつもりがなくとも、結果的にそのようになっているケースが多々あるのである。

 私もIT企業に勤めていたのでよくわかる。IT企業の営業がターゲットにしている部門は、まさにこういった企業の「事務方」である。彼らは事務方部門に出入りし、営業攻勢をかけて、多額なシステムの導入を検討してもらっているのだ。

成功例をもっと用意してくれないかな

 昨今、IT業界は本当に苦しい。

 「IT革命」「ITバブル」などと言われた時代は既に遥か昔の話である。今は待っていても、IT企業に仕事など来ないご時勢だ。需要が乏しいものだから、IT企業の営業たちは需要を喚起するためにいろいろな「ソリューション」を企画し、やれ提案営業だ、やれソリューション営業だといって、前述したような企業の事務方を訪問して回る。

 そして、どちらも「仕事」を絶やさないために打ち合わせを繰り返す。

 「こういうことでお困りはありませんか」と営業に声をかけられれば、少しぐらいなら考えてやってもいいかと食指を動かす。

 さらに「他社では、当社のシステムを活用してこのように成功され、結果的に業績を大幅に改善させております」などと畳み込まれると、つい1時間前まではからっきし興味のなかったことも、「参考に、他社の成功例をもっと用意してくれないかな」と言いたくなる。

コメント14件コメント/レビュー

無理やり仕事を増やしてる感はあるよね。人が居て切れないから無理やり仕事をひねり出してるって感じ。(2011/11/25)

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「「IT中毒」の会社が陥る会議漬け」の著者

横山 信弘

横山 信弘(よこやま・のぶひろ)

経営コンサルタント

CSK、日立製作所を経て、現在アタックスの主席コンサルタント。営業目標予算の2倍の材料を仕込む、組織マネジメント「予材管理」が注目され、コンサルティングのみならず、セミナー講師としても人気を博す。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

無理やり仕事を増やしてる感はあるよね。人が居て切れないから無理やり仕事をひねり出してるって感じ。(2011/11/25)

コメントみてると面白いですね。IT企業への愚痴ばかりだ。だが、発注側企業も、IT企業もどっちにも悪い所があって自業自得の結果になるのです。発注側は、金を出すからと言って、勘所と瑣末な所も区別せず何でも通そうとしてグチャグチャにする。自分で業務を理解してなくて各所で矛盾した事を言う。IT企業は下請け丸投げ他、多重請負構造を利用して上の企業のピンはねの割に仕事できない空洞化で、下に押し付け、下は人月単価ばかりみる。頭脳労働のはずなのに体育会系脳筋が運営するようなもの。受注した仕事をする事に全体最適化を理想とすれば、それとかけ離れた構造になっている所が少なくないから。結局、発注側受注側、双方本来の目的の為に真に協力できる体制にない。契約とコンプライアンスと自社だけみた部分最適で結局勝ち負け関係にしてしまうから。どっちも幸せになれない。個人的にはITシステムは便利にする為の補助道具で済ますべき。システムを使う事で業務の仕組みを忘れ、考えなくなり、定型的分析をするだけになってしまえば退化の為の道具になってしまう。所詮使う人次第ということ。(2011/11/23)

IT企業の大半はファブレスだったりするので、製造業とはだいぶ運営形態が違います。製造業向けの製品を開発してても、自社の業務には合わなかったり。■「現状を良くするためにやり方を変えて構わない」と言ってるのに、入ってくるのは悪くなる方向に変えられていることが圧倒的に多いです。例えば現場の従来の効率をどうやっても越えられない方式(筋が悪い)とか、標準的で効率的な方法を採用してない(現場は既に国際標準化済み)とか。■当然、現場は「何を考えてる!」と怒りますが、「変えていいという話でしたので」と返してくる。冒頭の「良くするために」がすっぽり抜け落ちてたり(これが導入の目的なのに)、そもそも現場の効率が判ってなかったり(調査できてない)が原因。所謂「動かないコンピュータ」の新たな事例になります。■ちゃんと「良くするために変える」システムを提供できる企業は少ないでしょう。少なくとも事務方を訪問するだけのIT企業はまずダメです。(2011/11/21)

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三品 和広 神戸大学教授